研究課題/領域番号 |
24500706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
麻生 和江 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50144803)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 知的障害者 / ダンス / 否定的行動 / 支援 / 立ち直り |
研究概要 |
ダンス活動時に、自他ともに活動停滞をもたらす傾向がある8名について、否定的行動が顕著であることを大学生にアンケート調査をおこない、5月から2月までの14回の練習会(1回2時間)の観察を行った。観察は上田式子供の発達簡易検査の様式を用い,横線に時間、内容、縦線には、筆者によるこれまでの観察から得られた否定的行動12項目、元気、楽しそうなどの回復、あるいは好調な気分を著す項目を入れた。毎回1名について、2名以上の大学生が観察した。筆者は8名全員を観察し、学生の観察、ビデオなどと併せて、毎時の8名の様子を文章にまとめた。学生との意見交換で、8名ひとりひとりの注意事項を定め、実践することを繰り返した。 今年度、観察を通して試みた支援が顕著であったO君は、ダンスが苦手であり、腹痛、頭痛、フリーズ、床に頭をぶつけるなど音響機材、舞台裏監督、ご挨拶係を担当することで、否定的行動は現れなくなり、ダンスも練習するようになった。 F君は、ダンスが好きで明るい性格であるが、体調が悪いとき、また、本番が近づくと全身が硬直、意識朦朧となる。多量の水分を要求するが、水をイオン飲料に替えるよう勧めた。毎時の練習会もイオン飲料を持参するようになり、これらの症状は現れなくなった。 以上のように、否定的行動をとる利用者ひとりひとりを観察し、支援策をたて、実践することで、8名は良好な方向に向かっている。また、大学生の意識変化と支援方法への実践を学ぶことができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観察者である大学生が、知的障害者を理解しようとしていること。観察対象者が、否定的行動を著すが、練習会や発表会に意欲的に参加すること。10年以上の経験から、筆者の、対象者全員を全員を観察する能力が高まった。 以上のような項目が、研究の進展と関わっていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
立ち直りに支援ができた利用者の存在と同時に、新たな存在も現れた。また、支援方法がが解明できない利用者もいる。本年度の成果を踏まえ、なるべく多くの否定的行動の立ち直り支援をはかる。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の補給200,000円、公的ホールでの舞台発表200,000円と考えている。
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