研究課題/領域番号 |
24500706
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
麻生 和江 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50144803)
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キーワード | 知的障害者 / 立ち直り / 否定的な行動 / 観察 / USTD |
研究概要 |
知的障がいについてほとんど知識のない一般人と知的障がい者との相互理解を主旨に13年間継続してきた大学生と知的障がい者のダンス交流会では,パートナーシップについて様々な成果を得た。 しかし,活動中に否定的な行動(周囲に心配をかける)をとる知的障がい者への対応には戸惑う事が多い。 本研究では,ダンス活動中に否定的になる知的障がい者への個々に応じた立ち直り支援方法を明確にすることし,知的障がい者と健常者のパートナーシップ確立に資する事を目的とする。 従来,このような研究は知的障がいの種類や症例別に類型化されて行われることが多い中,本研究では個々に応じた支援方法を考察するという方法をとることとした また,資料収集は、ダンス活動を実践する中で,利用者とともに,健常者である大学生の関わり方と意識変化を随時把握し,それをもとに,次回の交流会での対応試作を考案し,試行するという循環的な方法を用いている。観察対象者は10名である。合同練習会ごとに、USDTをモデルとした記録用紙に、1人につき2名以上の観察結果を残した。行動観察は、VTR撮影者、観察学生ともに参加観察法、交流的観察であった。観察の結果は麻生が文章にまとめている。 現時点でほとんどの対象者に支援策と改善が見られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で、問題となるのは、 1.練習会に全く出席せず、発表会本番だけしか出席しない利用者、欠席が多い利用者の詳細が観察できない。2.利用者さんも学生も、原則自由参加であるので、毎回の人数が変動する。3.市内のホールで発表会を開催しているが、鑑賞者は感動して下さるが、来場者が200名程度であり、来客増加の方法に苦慮している。4.8月に被災地をはげます「おおいたaid」にボランティア出演を依頼され、観客には大変感動されたが、障害者だけのコンサートとなると来客は少ない。5.また、来場者に知的障害者が多く、アンケートがほとんど役に立たない。6.画像、映像資料が想定以上に多くの処理に手間取っている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる26年度では、これまで同様、観察を継続しながら、それぞれの対象者の立ち直りに関する毎時の行動観察記録から、対象者それぞれの、行動、言動、表情などの身体表現の特徴を抽出することによって、素人でも、ひとりひとりの利用者さんに、近づくことができる方策を提案したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画していた画像・映像資料が大量になったため進度が遅れ、残高を生じた。 また、当初は発表会を行うためのために費用を計画していたが、市営の会場を借用することができ、また、減額免除となった。広告に関してもDM発送数を減少し、郵送料が抑た。 市営の減額免除が可能な発表会場が抑えられない場合を考え発表会費用を計画する。 次に画像・映像処理機能の高い機材の購入を考えている。 更に学会誌の投稿料30000円が必要となる。
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