研究課題/領域番号 |
24500707
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高橋 るみ子 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (50197191)
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キーワード | ダンス / 芸術表現体験 / コミュニケーション能力の育成 / 芸術家派遣 / 複数の指導者による協働 / ワークショップ型の授業 |
研究概要 |
研究の目的(芸術表現体験活動を取り入れたワークショップ型のダンスの授業の推進・普及を図り、その結果として、今般の学校現場の「創作ダンス」「表現」離れに歯止めをかけること)を達成するために、平成25年度も、研究実施計画に沿い、8つのプログラムに取り組んだ。 ①舞踊学研究室が立ち上げたNPO法人MIYAZAKI C-DANCE CENTER(以下、「MCDC」という。)に所属するダンスユニット「んまつーポス」を、附属小学校へ派遣し、第4学年の体育に位置付けて、芸術表現体験活動を実施した(3クラス×3回)。同じく「んまつーポス」をお茶の水女子大学附属中学校へ派遣し、第1学年及び第2学年の保健体育に位置付けて、芸術表現体験活動を実施した(5クラス×1回)。②メディアコンテンツ(映像作品「イスワル」)を作成しツアー公演において上演した。また、写真で構成したポスター(11種)を作成しツアー会場でポスター展を開催した。③派遣講師を希望する芸術家を対象に、実際にワークショップ型の授業を体験する勉強会を実施した(参加者は5名)。 ④大学(教育協働開発センター)を中心に、学校のニーズと派遣講師ができることを効果的・円滑にマッチングするための研究組織を立ち上げた。⑤宮崎市教育委員会と共同で、現職教員を対象に、芸術家と協働することができる力量の養成を目的とした実技研修会を開催した(2013,6.18)。⑥NPO法人MCDCと大学、教育委員会が連携・協力し、「平成25年度コミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験」(コーディネーター形式)に取り組んだ。⑦全国ツアーに、開催地(いわき、東京、広島)の現職教員を招待すると共に、ポスター展(前出)を開催した。⑧教育協働開発センターが、平成25年度の活動(美術)を紹介するリーフレットを作成した。ダンスを取り上げたリーフレットは、現在(4月)作成中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
文部科学省事業の芸術表現体験活動では、派遣する芸術家は、教育委員会や学校長が「適正」と認めたものに限られ、それが外部講師(芸術家)と学校の新たな出会いを難しくしていた。そこで平成25年度は、教育委員会とNPO法人、大学が、それぞれ「監督」「運営」「評価」を担当する組織づくりを行なった。また、NPO法人等が推薦する芸術家等を、審査・承認・派遣するプロジェクト総括評価委員会を設置した。さらに、教科専門の大学教員が授業アドバイザーとなり、実施内容をアドバイスするシステムを構築した。この全国の教員養成系大学・学部に先駆けて大学の知を活用した取組が評価され、平成25年度の文部科学省事業(コーディネーター形式)に採択となり、体育と音楽、美術、特別活動で授業研究を実施した。 また、ツアー公演「んまつーポス+宮崎大学」の中で、授業研究をまとめた映像作品の上演やポスター展の開催、作成したパンフレット(冊子)の配布等を行った。 これらが、当初の計画以上に芸術表現体験活動の推進・普及を進展させることができたと評価した理由である。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年となる平成27年度は、学校現場の「創作ダンス」(小学校は「表現」)離れに歯止めをかける手だてとして、複数の指導者(派遣講師と担当教員)による効果的な指導のあり方(派遣芸術家と担当教員の効果的な協働のあり方)を明らかにし、コミュニケーション能力の育成を目的としたワークショップ型の授業のさらなる普及を図る。同じく、子どもたちの芸術表現体験活動を評価する「規準」を作成し、コミュニケーション能力の育成を目的としたワークショップ型の授業の定着を図る。 また、報告書(写真集)を出版(オンデマンド)する。
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次年度の研究費の使用計画 |
インクカートリッジ等の物品を見積額より安価に購入できたため。 次年度の物品費に加えて使用する。
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