研究課題/領域番号 |
24500707
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高橋 るみ子 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (50197191)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 創作ダンス / コミュニケーション能力の向上 / 芸術表現体験 / 芸術家の派遣事業 / ワークショップ型の授業 / 複数の指導者による効果的な授業のあり方 / 大学の知の活用 |
研究実績の概要 |
①はじめて、特別支援学校・学級、児童自立支援施設等の体育に位置づけて実践を行うことができた(協力校:県立みなみのかぜ支援学校、宮崎市立赤江東中学校,都城市立白雲中学校)。同じく、はじめて都城市の小学校で実践を拓くことができた(協力校:都城市立石山小学校、同高城小学校、同高原小学校、同高崎小学校) ②発達段階と担当教員のダンス指導経験が異なる小中学校各2校の実践から4種類のメディアコンテンツを作成した。 ③派遣講師を希望した4名の芸術家(いずれも東京在住)が、学校文化、特に学習指導要領の内容について学ぶ勉強会を実施した。 ④前年度に立ち上げた研究組織の機能を強化し、文部科学省委託事業「コミュニケーション能力向上事業」及び文化庁委託事業「芸術家の派遣事業」を体育に位置づけて実施した。 ⑤教員免許状更新講習の内容に、複数の指導者(芸術家と担当教員)による効果的な授業づくりを位置づけて実施した。 ⑥前出(④)。 ⑦次年度に実践を希望する教員を対象にワークショップを企画・実施し、その成果を「ムーブメント・アート・インみやざき」(宮崎県表現・創作ダンス発表会)で披露した。 ⑧「リーフレット(みやざき教育フォーラム分科会「大学の知を活用した芸術教育」資料)を作成した。また、芸術家と担当教員の協働を視点に、平成26年度に実施した45校の実践及び事後アンケートの結果を報告した冊子を作成した(別途予算)。 ⑨平成26年12月までの実践を論文化した(「学校体育活動(ダンス)における複数の指導者による効果的な指導のあり方調査研究」/宮崎大学教育文化学部附属教育協働開発センター研究紀要23号、2015.3)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年間の普及活動により、「創作ダンス」の特性(美的創造的運動体験)とその必要性(生きる力=コミュニケーション能力)を理解し、積極的・主体的に、文部科学省事業や文化庁事業が募集する「芸術家派遣事業」や、公共文化施設等が実施するアウトリーチ事業に応募する学校が増加した。その結果、平成26年度は、県外3校を含む45校が「創作ダンス」に取り組んだ。 また、研究の総括として、最終年度の実践校の担当教員と児童生徒を対象に、アンケート調査(事前・事後)を実施した。しかし、計画当初より実施校数が大幅に増えたことから、年度末に実施した実践についてはリーフレットに 載せることができなかった。同じく、教育協働開発センター研究紀要に投稿する予定の論文についても、総括ではなく中間報告という形にせざるを得なかった。 以上が、「やや遅れている」と評価し、且つ、研究期間の延長を申請した理由である。
|
今後の研究の推進方策 |
3年間の実践と、特に効果のあった実践(詳細)で構成するリーフレットを作成し、県内外に配布する。また、特に効果のあったとアドバイザーが評価し、教員・児童生徒の評価が高かった実践の写真集を作成する(そのための補助金を申請する)。 一方、研究を進める中で、コミュニケーション能力の向上を上位目的にした「創作ダンス」は、中山間地域にある学校や極小規模校でより効果があることがわかり、観点を変えて、芸術体験の過疎化あるいは子どもの貧困という視点からも実践を考察し、研究の総括に加える。→第67回舞踊学会(福島)で報告する。 研究を論文化し、関係学会誌に投稿する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度及び次年度で「取組」の推進が図られ、最終年度となった平成26年度は、当初の実施計画を越える学校(40余校)で実践を行なうことができた。しかし、その内の12校が第3学期の実施を希望し、補助事業期間内にそれ らの実践の成果を集約し、研究の総括を行う、あるいはリーフレット(報告書)を作成する等が難しい状況となった。以上の理由から計画を変更したため、未使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
県内外に配布するリーフレット(内容は、平成26年度に取り組んだ、芸術家を学校へ派遣し、その芸術家と教師が連携して体育の授業に芸術表現体験を効果的に結び付けたワークショップ型の授業の写真及び教員のふりかえりとする)の印刷(オンデマンド)とし、未使用額(前出)をその経費に充てる。
|