研究概要 |
<研究目的>[幼少年期の『こころ』と体の調整力を育む運動(遊び)の量と質」に関わる主たる研究課題のうち、研究目的2(平成 25 年度)において「調整力」に関連する量的側面の解明を試みた。幼少年期の各発達期を横断的に検討する大規模標本の質問紙調査(量的研究)に基づく要因分析により,「調整力」の習得場面における運動(遊び),心身の発達,及び心理社会的環境等の要因間の相互関係性について,統計的な解析に基づきその全体像を解明すること、に焦点を当てた. <調査内容>まず心身の「調整力」については,「体」の調整力(石河ら,1987),及び「こころ」の調整力(自律性,規律性,社会性,等)を反映する項目から構成する.次に,心理社会的環境については,各発達段階での身体活動に対する養育者,指導者,教師等の関わりについて反映する項目から構成した.また,「調整力」及びその育成状況(活動開始時期,運動遊び内容,指導内容等),等に関して記述を求めた. <主な結果>「調整力」の習得プロセスと成就評価において,運動(遊び)への 自発的な取り組み(内的要因)と同時に,その習得を支えるマクロ環境,あるいはミクロ環境(保護者,仲間,指導者,教員との相互的な関係性)が大きな役割を果たすとともに,またその役割の内容も各発達年代によって変化していた.特に身体活動の不活発さが顕著となる思春期前後での要因の影響パターンに活動量及び性差の交互作用が示唆された。
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