研究課題/領域番号 |
24500711
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
加藤 知己 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (90214387)
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研究分担者 |
西川 浩昭 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (30208160)
木村 憲 東京電機大学, 工学部, 准教授 (60408648)
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キーワード | 体育授業 / 運動習慣 / 健康度 / 生活習慣 / 体力 / 大学生 |
研究概要 |
本研究は、大学新入生を対象として体育授業を通じ運動習慣を奨励し、その授業効果を体力、健康度および生活習慣の側面から検討することを目的としている。 平成25年度においても、研究対象となる体育授業(「トリムスポーツI」)の履修者に対して、平成24年度と同様に、当初の研究計画通りに、4月の学期始めと7月の学期末に体力測定および健康度・生活習慣調査を実施した。また、当該授業受講前の運動習慣レベルの調査(想起法)ならびに受講期間中の運動実施回数の記録(受講群)・運動習慣レベルの調査(対照群:想起法)を実施した。平成25年度の測定・調査においても、昨年度と同様に東京電機大学ヒト生命倫理委員会の承認を得て、受講群・対照群ともに必要事項の説明後に同意書をとり実施した。 その結果、全ての測定・調査項目に欠落なく得られた受講群の数は399人であった(平成24年度:435人)。一方、対照群となる実験協力者の募集は、学生ポータルサイトや掲示物、印刷物の配布によって行い、 4月の測定・調査(プレテスト)に参加した者は93人(平成24年度:96人)であり、最終的に7月の測定・調査(ポストテスト)にも参加した者は. 77人(平成24年度:81人)であった。 平成24年度に得られたデータのうち健康度と生活習慣に関しては、受講群と対照群の比較検討を統計学的に行い、体育授業の効果を予備的に検証してみた。その結果、身体的・精神的・社会的健康度に加えて、運動面、食生活面および休養面など、生活習慣全般にわたり、一定の授業効果があることが確認できた。なお、この検討結果は、東京電機大学総合文化研究第11号(2013)に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度においても受講群・対象群ともに測定・調査自体は支障なく実施することができた。 また、受講群のデータ数については、ほぼ想定通りの規模を得ることができた。しかし、対照群については、4月のプレテスト参加者が7月のポストテストに不参加となる例が少なからず発生し(脱落率:17.2%)、最終的に得られたデータは想定数よりも少ない規模となっている。 今年度は、昨年度同様新入生全員に対して学生ポータルサイトを通じて実験協力を個別メールにより周知し、これに加え、その約半数にあたる500人の学生個別に印刷物を配布した。さらには掲示による周知も行った。このように実施可能なあらゆる周知手段は用いて対照群被験者の参加を求めたが、得られた対照群のデータ数は昨年度と同程度であった。そのため、謝金の金額も含めて、この収集方式による新入生の対照群データは、上述の規模以上に集めることは困難である可能性が窺われた。今後は、ポストテストにおける脱落率を抑制する何らかの方策を検討したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、対照群となる実験協力者のデータ数を確保するために、25年度同様に実験協力を複数の通知手段により行い、加えて7月の測定・調査における脱落率を抑制する必要がある。4月の測定・調査参加者に対して、7月の測定・調査日(ポストテスト)の周知は前年度までは1週間前に1回のみ行っていたが、これを次回は、当該測定・調査日の1か月前、2週間前、1週間前の3回にわたって行い、データの脱落を抑えたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験協力者(対照群の被験者)の数が想定したほど得られなかったため、残金が生じた。 これまでに生じた残金については、健康度・生活習慣の調査票(DIHAL.2)を購入するために使用する予定である。
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