研究課題/領域番号 |
24500713
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
波照間 永子 明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80336487)
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研究分担者 |
瀬戸 邦弘 上智大学, 文学部, 講師 (40434344)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 舞踊 / 民族スポーツ / 韓国 / 琉球 / 沖縄 |
研究実績の概要 |
2014年度は前年度に引き続き、琉球と韓国の舞踊の比較研究に加え、分担者の協力を得て琉球と韓国の民族スポーツ「綱引き」の調査を実施した。概要を以下に記す。 1.近現代期の舞踊伝承に関する研究:2014年度は琉球・韓国ともに近現代に焦点をあて、特に戦前戦後を生きた女性舞踊家らによる舞踊伝承の特性を踏査した。その成果を明治大学情報コミュニケーション研究科フォーラムの国際シンポジウム「東アジア表象メディアの創出と伝承」(2015年3月16日、於:明治大学)にて公表するとともに、同シンポジウムの予稿集に論文を執筆した。具体的には、共同研究者の金チェウォン氏が、韓国近現代期の芸妓による舞踊の伝承について明らかにしたほか、田銀子氏が、韓国無形文化財指定制度の概要および同文化財〈僧の舞〉の伝承に関する論考をまとめた。代表者の波照間は、琉球舞踊が「男芸」から「女芸」に推移する過程を整理した。本成果を修正の上、おおはばに加筆した内容を図書『沖縄県史 各論編8 女性史編』(2015年度刊行予定、沖縄県)所収の論考にまとめた。 2. 琉球・韓国の民族スポーツの研究:琉球・韓国に伝承される綱引きの調査を、瀬戸邦弘氏が実施し先述1に記載した国際シンポジウムにて報告・同予稿集に概要を掲載した。 3.琉球における武術と舞踊の比較研究:琉球王朝尚家に伝わる武術「本部御殿手」と舞踊の比較研究の成果を、日本体育学会スポーツ人類学専門分科領域シンポジウムにて報告した(2014年8月27日 岩手大学)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年度は当初の予定通り「舞踊の伝承」について調査を進め・国際シンポジウムで報告する等、おおむね達成することができた。 しかしながら、2013年度までに実施した王朝期・近代期の舞踊の技法研究を改めて精査し、論文化するという課題が残っているため研究期間を一年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、王朝期・近代期の舞踊の技法研究の論文を再稿して公開するほか、前年度に実施した伝承制度に関する調査をさらに深く進めていく。あわせて、舞踊と関連する民族スポーツの調査も継続して実施し、2016年度より予定している新規課題申請に向けて、その課題の具体化と明確化を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度の課題はおおむね遂行できたが、2013年度までに実施した舞踊技法の比較研究に際して、再度精査し論文を修正加筆する必要がある。また、分担者が実施している琉球・韓国の綱引き研究の継続調査も必須である。そのための予算として計上した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は最終年度にあたるので、先の理由に記した技法研究の再調査だけでなく、前年度に実施した伝承方法に関する追跡調査を遂行する。その際に生じる調査旅費やインフォーマント謝金等に使用する予定である。
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