研究課題/領域番号 |
24500718
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研究機関 | 近畿大学九州短期大学 |
研究代表者 |
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, その他部局等, 教授 (90185918)
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研究分担者 |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
口野 隆史 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (60192027)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
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キーワード | スポーツ・リテラシー / 身体的リテラシー / 生活スタイル / 運動スキル / 体力・運動能力 |
研究概要 |
本研究は、調査対象国・地域を東アジアに限定し、「身体的リテラシー」をめぐる問題に焦点化した国際比較研究を実施し、今後のスポーツ・リテラシー教育を制度設計していく上での基礎資料を得ることを目的とする。当該年度の研究の成果は、以下の通りである。 1.本調査に関する分析枠の検討:体力・運動能力調査、基本的動きの発達に関する調査、体育授業における学びの履歴、運動有能感、日常生活の遊び・スポーツ活動調査などの先行研究における調査カテゴリーにくわえ、Whitehead,M(2010)による「身体的リテラシー」概念をもとにした分析枠を検討した。 2.調査対象国・地域における調査の実施:①台湾において質問紙調査(体育授業における学びの履歴、運動有能感、日常生活の遊び・スポーツ活動)を中心とした調査を実施した(2013.9.9-12)。②カンボジアにおいて体力・運動能力調査および学校関係者、教育行政担当者に対する付帯調査を実施した(2013.11.24-12.1)。日本の調査結果との比較を通し、途上国における学校体育を普及・振興する際に、現地の教育要求・必要を掘り起こしていくことの必要性が示唆された。 3.調査の実施過程のモニタリングと付帯調査の実施:調査対象国・地域を訪問し、調査実施過程のモニタリングを実施した。さらに、海外研究協力者だけでなく、幼児教育から高等教育に至る学校階梯の教師および教育行政担当者との協議を通して、スポーツ教育の内実について、「身体的リテラシー」の視点から、その実態および課題について研究協議ならびに付帯調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
台湾については、海外研究協力者との研究協議も当初の予定通り、実施することができ、質問紙調査を中心とした本調査を実施することができた。しかし、韓国については、海外研究協力者との日程調整ができず、予備調査のみの実施に止まっており、次年度以降に本調査を実施する予定である。 しかし、かねてより継続してきた国際教育協力活動を契機として、カンボジアでの現地調査が可能となった。学校体育の普及・振興の途上にあるカンボジアにおける児童・生徒の育ち・学びの実態を「身体的リテラシー」の視点から照射するデータを得ることができたことは、本研究課題からも意義深いものと考えている。 このように、最終年次の本研究課題の総合的な分析および考察に向け、各種のデータを得て、学校関係者や教育行政担当者との研究協議が実施できたため、現在までの達成度を「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
1.最終年次にあたる平成26年度は、前年度までに実施した調査データの入力・分析および考察を中心に進めていく。ここでは、分析結果の考察を海外研究協力者とともに実施する必要があり、そのための研究協議の場を日本または、現地で用意する予定である。 2.分析・考察の過程で浮上する課題に対応するために、必要に応じて、追加または付帯調査を実施する。 3.本年度の後半では、本研究全体の総括とそれを踏まえた研究成果報告(学会発表)を行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度実施予定であった韓国での本調査実施が、外国研究協力者との日程調整により平成26年度に変更となったため、旅費の執行が減額したため。 韓国における本調査の実施と調査実施過程におけるモニタリングを目的とした調査担当者の海外出張のため使用する。
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