研究課題/領域番号 |
24500718
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研究機関 | 近畿大学九州短期大学 |
研究代表者 |
鐘ケ江 淳一 近畿大学九州短期大学, 保育科, 教授 (90185918)
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研究分担者 |
中島 憲子 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00301721)
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
口野 隆史 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (60192027)
黒川 哲也 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50390258)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スポーツ・リテラシー / 身体的リテラシー / 生活スタイル / 運動スキル / 体力・運動能力 |
研究実績の概要 |
本研究は、調査対象国を東アジアに限定し、身体的リテラシーをめぐる問題に焦点化した国際比較研究を実施し、今後のスポーツ・リテラシー教育を制度設計していく上での基礎資料を得ることを目的とする。当該年度にくわえ研究期間全体を通じた研究の成果は、以下の通りである。 1.韓国、台湾において質問紙調査(学びの履歴、運動有能感など)を実施した(平成26年度)。平成25年度に実施した日本の調査結果の比較検討した結果、身体的リテラシーの視点から以下のような結果が得られた。①運動技能に関する「学習成果」得点、「身体的有能さの認知」因子得点の男女差が小・中よりも高校階梯で拡大すること、②女子の教科に対する「有用さの認知」得点が学校階梯があがるにつれて低くなること、が特徴的であった。この結果、身体的リテラシーに関する学習成果を感得できないために授業に対する愛好的態度や有用さの認知度を下げ、さらに消極的な学習への構えをとらせていることが各国・地域に共通した課題として析出された。 2.途上国のスポーツリテラシー教育の制度設計を視野に入れカンボジア北部において体力・運動能力テストおよび付帯調査を実施した。その結果、①跳、投、走など基本的動作では、日本の子どもに比べ、10歳以降、加齢に伴う記録の向上が見られなかった。このことは、生活、あそび、学習場面における運動経験が影響を及ぼしているものと推察された、②カンボジア南部の子どもを対象とした先行研究と比較した結果、体格、体力・運動能力ともに低得点だったことから教育・体育の普及・振興の過程での格差を反映したものと推察される。途上国における学校体育の普及・振興を図る際、こうした子ども、教師などの主体的条件にくわえ、教育行政上の条件、社会的および地理的条件を考慮することの必要性が示唆された。くわえて、現地の教育要求・必要を掘り起こしていくことの必要性も示唆された。
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