研究課題/領域番号 |
24500721
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
三浦 裕 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50142774)
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キーワード | オリンピック教育 / スポーツの環境 / スポーツの文化的な意義 / 教育的・倫理的・社会的価値 / 体育理論 |
研究概要 |
平成25年度は研究2年目として,交付申請書の研究実施計画書に示したように,オリンピック冬季大会に関する資料収集および分析を行った。なかでも,ロシア・ソチで開催されたIOCによる環境に関する2年に一度の国際会議である第10回IOC World Conference Sport and Environmentに出席し資料収集できたことは,非常に重要であった。会議では過去の大会分析としてロンドン大会,これからの大会としてソチ・リオデジャネイロ大会が取り上げられた。特にソチ大会では,大会のために整備される競技場や交通網・宿泊施設などの建設により消費される酸素量を推定し,大会終了35年後の2050年まで「緑」を増やし続けるなどの報告があったことなどから,各大会が環境問題を正面からとらえ,本格的に取り組んでいることが分かった。つまり,環境問題は今や大会開催時のみの問題でなく,大会前-大会時-大会後といった時系列でとらえることの重要性が世界的に認識されているということである。 同様に,この認識はオリンピック大会のレガシーについても該当するものである。レガシーは大会前に作成されるものであるが,大会終了とともにそのレガシーが消えうせるのではなく,後年にもその意図が明確に認識・理解されることが重要である。 以上の成果に関連して,「オリンピック冬季大会と環境- IOCスポーツを環境・競技別ガイドブックにみる「環境」のとらえ-(第35回日ス哲)」について発表を行ったほか,教育面での関連として「新教育基本法からみた体育授業の課題-第四項「生命・自然・環境」の観点から-(第33回日ス教)」,また現実的な指導者の環境面から「Instructive Environment of Triumphalism Sports(19th European Fair Play Congress)」について発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由) 交付申請書の研究実施計画に示したように,資料収集および分析を行い,当初の年次計画ごとに順調に進んできている。また,その研究成果について,国内の関係学会や国際的な学会などにおいて報告を行ってきている。
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今後の研究の推進方策 |
○(ユース)オリンピック大会に関する資料集・調査および分析など:前年度に引き続き,資料収集および調査などを行うとともに,収集された資料などについて順次分析を行う。特に,大会(運営)のポリシーやスローガン・キャッチフレーズなどに注目し,主として環境面・レガシー面からの分析・検討を行う。 ○国内・国際学会などへの参加・発表および資料収集・調査など:国内では日本体育学会,日本体育・スポーツ哲学会,日本スポーツ教育学会,日本体育科教育学会,などの各種関連学会への参加・発表および資料収集・情報交換などを行う予定である。また,海外ではEFPCやWCSE,AIESEP(後援)学会のほか,(ユース)オリンピック大会や環境・教育関連の国際学会などへの参加・発表および資料収集・調査などを予定している。 ○必要物品の購入など(随時):本研究の遂行のために必要とされるスポーツ・オリンピックや環境・教育分野に関する書籍の購入および資料作成・分析に要する機器の購入,データ保存用機器,外国語翻訳料,学会参加・発表および資料収集のための旅費・参加費,学会誌投稿のための英文校正費,謝金,消耗品など。これらについては,必要に応じてその都度随時予算執行する予定である。 しかし,実際の補助金分担金配分額が申請時金額よりも減額されているため,上記のほか,8月の南京でのユースオリンピックでの資料収集など,一部難しくなる可能性もある。この件については,前年度と同様に所属先の個人研究費などからの補填などについても検討を行いたい。
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