研究課題/領域番号 |
24500725
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山口 香 筑波大学, 体育系, 准教授 (40220256)
|
研究分担者 |
橋本 佐由理 筑波大学, 体育系, 准教授 (10334054)
樋口 倫子 明海大学, 外国語学部, 講師 (70276179)
松田 基子 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (80584937)
|
キーワード | 女子柔道 / トップアスリート / レジリエンス / 心理的競技能力 / 競技力向上 |
研究概要 |
本研究は、女子柔道トップアスリートに焦点をあて、競技力向上を新たな視点から支援する試みである。アスリートが競技場面において最高のパフォーマンスを発揮するためには、トレーニングや技術の習得に加えて心理面のコンディショニングを整えることも重要である。女子トップアスリートがレジリエンスを高めることによってスポーツパフォーマンスにどのような影響を及ぼすのかを検証するとともに、周囲の人間との関係を認知することがストレスの減少、生活習慣の変容、モチベーションなどに変化が見られるか否かについても検討する。 今年度は、昨年度実施した国内16大学の女子柔道部員への自記式質問紙調査を集計、分析した。大学女子柔道選手の競技成績と自己イメージや行動特性および心理的競技能力との関連、競技成績とスポーツ競技特性不安や情緒的支援認知との関連、スポーツ傷害と心理的特性との関連、自己イメージと心理的競技能力(DIPCA.3)やストレスへのレジリエンスとの関連を明らかにし、心理的競技能力の向上への示唆を得ることを試みた。結果は、パフォーマンス向上のためには、自己への肯定感や自信を高める支援、自己表出力や問題解決力の向上支援も加えたプログラムを構築し、自己イメージの向上とストレス耐性の高い行動特性を身につけることが有効であること、競技成績低群の指導者からの情緒的支援認知の低さは、意気込みや自信の欠如とも関連していることから、自信の向上や動機づけ支援をすることで、パフォーマンスの向上につながる可能性が示唆された。また、心理的競技能力を向上しパフォーマンスを支えるためには、ストレス耐性を高め、自己イメージやレジリエンスの向上が可能なプログラムを構築し、支援することが有効であることもわかった。 昨年度実施した対象者に同様の自記式質問紙調査を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の2年目は、初年度に実施された質問紙調査の集計及び分析を行った。また、対象者の競技力及びレジリエンス、モチベーション、生活習慣などの変化を見るために、同様の対象者に同様の質問紙調査を実施した。初年度に行った調査の集計、分析結果については日本体育学会にて4つのテーマについて発表を行った。 今年度実施した質問紙調査に関しては回収した調査票のデータ入力が完了している。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度実施できなかった研究協力を要請している大学の女子トップアスリートの中から研究ボランティアを募集し、レジリエンスとパフォーマンス向上支援のための介入を実施する。 また、二度行った質問紙調査を比較し、競技力、レジリエンス等にどのような変化があったかを分析する。2度目に行った調査に対しての個別フィードバックも実施する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
来年度に調査ボランティアを募集して介入調査を行うための準備として各大学に出向き、説明等を実施する予定であったが、大学側との日程調整がつかずに実施できない状況であった。その分の旅費が未支出となった。 今年度行う介入調査準備に向けて大学側と早い段階で日程等の調整を行い、実施する。そのため、昨年度の残額に関しては主に旅費として使用する。また、調査対象大学へのフィードバックの郵送、介入調査の説明文書の送付等の通信費として一部を使用する。
|