研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦後沖縄におけるスポーツの意味作用を高校野球、オリンピック、国民体育大会、ボクシング、そしてゴルフを事例にして分析することであった。 3年計画の最終年である今年度は、昨年度までの実績の上に、以下の研究成果が得られた。1.沖縄における高校野球と沖縄の人々の解釈を踏まえて、高校野球による平和構築の可能性と課題について、まとめることができた。清水諭:「スポーツを通した国際開発学の位置」清水諭(責任編集)『現代スポーツ評論』31: 8-17,創文企画,2014. 2.東京オリンピックと都市開発、及びナショナリティの構築について、以下で発表することができた。清水諭:「メガ・スポーツイベントの力学:オリンピックと都市東京」井上俊(編)『現代文化を学ぶ人のために』世界思想社, 163-177, 2014. 清水諭:「なぜオリンピックを東京に招致しようとするのか:1940年と1964年の東京大会」菊幸一(編)『現代スポーツは嘉納治五郎から何を学ぶのか:オリンピック・体育・柔道の新たなビジョン』ミネルヴァ書房, 49-79. 2014.(本著書は、「第17回秩父宮記念スポーツ医・科学賞奨励賞」公益財団法人日本体育協会、2015.3.25.を受賞) 3.沖縄におけるゴルフの歴史と沖縄の人々の解釈について、沖縄県ゴルフ協会・沖縄県ゴルフ倶楽部協議会(編)『世界へ挑戦:沖縄ゴルフ誕生と飛躍の歴史』沖縄県ゴルフ協会・沖縄県ゴルフ倶楽部協議会発行, 2012.をもとに分析・考察した。 4.沖縄における若夏国体(1973年)と海邦国体(1987年)の二つの国民体育大会に関する記録映像の物語分析を行い、考察した。 5.沖縄におけるボクシングについては、Frost, Dennis J.(2010)における具志堅用高氏の分析・考察を踏まえながら、1970~1980年代における沖縄県出身プロボクサーの活躍とメディア言説について、資料収集を行った。
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