本研究では、戦後沖縄におけるスポーツの意味作用を高校野球、オリンピック、国民体育大会、ボクシング、そしてゴルフを事例にして分析した。高校野球において沖縄は、全国でも強豪レベルにありながら、「本土」との格差を意識し、劣等意識が現れていることが分かった。このことは、1964年東京オリンピックにおける「首都東京の構築」「経済成長する日本」が示され、2016年・2020年東京オリンピック・パラリンピック招致の際の「湾岸開発」に示される開発主義と東京一極集中主義とは大きな相違が見える。沖縄及び東京におけるスポーツの意味を分析・考察することによって、戦後日本におけるナショナリズム戦略を捉えることができる。
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