研究課題/領域番号 |
24500731
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
海老原 修 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50185138)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スポーツ・キャリア / スポーツ・ドロップアウト / スポーツ・トランスファー / 運動・スポーツ継続 / 持ち越し理論 |
研究実績の概要 |
これまでの運動・スポーツ参加・継続モデルは横断的なデータ分析に基づく推論に依拠する陥穽をもつ。自然科学が明らかにする持ち越し効果が社会科学でも適用できるか否か、すなわち、生き残った運動・スポーツに親しむ青少年のスポーツ・キャリアは脱退・離脱者にも適用すべきであるが、継続者のみにそれを適用する。これを解決するには、追跡的調査が最適であり、本研究は4年間のスポーツ参加継続モデルの再構築を目指す。3年目となる平成26年度は引き続き、神奈川県神奈川県教育委員会教育局教育指導部保健体育課と神奈川県体育センターの協力を得て、①就学前・年中組、小学校2年、5年、中学校2年、高校2年向け「子ども・青少年の運動・スポーツに関する調査」調査票を作成し、②3年次以降の追跡調査を実施し、③年中組319/705件(45.2%)、小2年124/278件(44.6%)、5年107/306件(35.0%)、中学2年100/331件(30.2%)高校2年5/18件(27.8%)平成25年度開始高校2年17/70件(24.3%)を配布・回収した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24~27年度の4年間にわたり、子どもの運動・スポーツ参与の変動を追跡するにあたって、平成26年度は、幼稚園から小学校へ、小学校から中学校へ、中学校から高等学校へ、高等学校から大学または一般社会へ、それぞれがライフステージを移行するターニングポイントの時期であった。追跡対象者全体での年度ごとの回収状況は3割から4割前後で推移し、その残存率は当初の母集団に換算すると1割から2割前後に収束する状況にある。近年、運動・スポーツ継続がポジティブに、脱退や転向がネガティブに評価する傾向のある持ち越し理論に関して、科学的に論議するデータは本研究が目指す追跡調査に他ならないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
4年間の追跡調査の最終年となり、当初の年中児は小学2年、小学2年は5年、小学5年は中学2年、中学2年は高校2年、高校2年は大学2年または社会人2年に進学する。また、補足的に平成25年度高校2年調査では大学1年または社会人1年生となる。平成24、25、26年度には調査票を2月に配布・回収したが、最終年度においては、10月前後を第1次、12月前後を第2次など、複数回にわたる調査をダイレクトメイル方式で実施し、これまでの継続回答者はもとより、断続的な回答者や未回答者への回収作業をすすめるとともに、未回答者を対象とする未回答部分のスポーツ・キャリア回答票を準備する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ダイレクトメイル方式による追跡調査の対象者数が漸次減少する状況にあり、対象者のリスト作成・保守管理、当該年度の追跡調査費用に集中的に予算を配分するとともに、追跡調査では、継続・断続の回答分に加えて、最終年度での未回答者への積極的なアプローチを踏まえながら、複雑な配列をともなうデータ入力代金を留保しておく手順が合理的と考える。
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次年度使用額の使用計画 |
3年次追跡調査回収件数650件前後にとどまるなか、最終年度となる平成27年度には複数回の調査を計画し、継続回答者、断続回答者、さらに未回答者へのダイレクトメイル方式を実施する予定である。
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