研究課題/領域番号 |
24500732
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山崎 健 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50092739)
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キーワード | ランニング動作の変容 / ダイナミックステレオタイプ |
研究概要 |
本年度は、8名の長距離選手について、実際の10000mレース中の動作解析を行い、前半2000m、中半4800m及び後半8800mの疾走動作と一歩ごとのランニングスピードについての回帰分析を行った。 10m区間4歩の一歩ごとの疾走速度と、1)ストライド長、2)ピッチ(歩/秒)及び3)膝関節進展速度との相関を検討した。 2000m地点では、ほとんどのランナーがスピードとストライドに高い相関を見せるのに対して、4800m地点ではスピードとピッチに高い相関を見せるようになり、後半の8800m地点では、8名中4名のランナーにスピードと膝関節進展速度に負の相関が見られるという大変興味ある結果が得られた。ランナーは、レースの進捗に伴い仮説の通りランニング動作を変容させているように解釈された。 昨年度の分析結果は第21回日本運動生理学会大会に、本年度の結果は第26回ランニング学会大会に発表した。日本運動生理学会の英文抄録及びランニング学会の抄録は現在印刷中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、前年度に行うべき動作解析が本年度に持ち越され研究の進行がやや遅れていたが、ランニング動作の回帰分析の例数も増え、エネルギー供給系の変動に対応したランニングスキルの変容という仮説を表す理論モデルも構築できた。 今後は、400mごとの動作解析を行いランニング動作の変容をもたらす要因(トリガー)の解析を進めたい。 本年度実施予定であった筋電図の周波数解析については、使用する小型筋電計のデータが、生波形は記録できるものの未だ周波数解析ができる状態に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
実際の10000mレース中の動作解析は、解析精度を4倍として、さらにスピードとピッチ及び膝関節伸展速度の回帰分析を進めたい。 また、1000m10本程度のインターバルトレーニング中の心拍変動と血中乳酸値から、動作変容をもたらす要因(トリガー)の検討を行い最終的なまとめの報告を行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
第26回ランニング学会(大阪体育大学他:3月22~23日)及び第60回現代スポーツ研究会(奈良女子大学:3月25~26日)の出張旅費が未執行のため 第26回ランニング学会(大阪体育大学他:3月22~23日)及び第60回現代スポーツ研究会(奈良女子大学:3月25~26日)の出張旅費で使用した
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