本年度は、昨年土、実際の10000mレースにおいて得られた、前半~中半~後半の、①疾走速度とストライド、②疾走速度とピッチ、③疾走速度と膝関節伸展速度、のそれぞれの相関分析結果について、特に後半8800m地点において8名中4名の被験者に短距離スプリント走と同様の疾走速度と膝関節伸展速度の「負相関」の現象について検討を加えた。 また、このような疾走動作の変容を可能にしているメカニズムについて、山崎の2004年の運動習熟のマトリクスモデルが「エネルギー供給系」との関連を持たなかったことから、2011年のエネルギー供給系とスキル系のマトリクスモデルについて、さらに検討を加えた。 2012年に示した3つの筋線維と3つのエネルギー供給系からなる「3 by 3 システム」について、更に、関節をまたぐ拮抗筋での「マルティレイアモデル」を示し、野崎(2014)の示した 「運動学的収縮方向」と「解剖学的収縮方向」が異なる「筋活動の冗長性」との関連も含め理論的考察と研究のまとめを行った。
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