研究課題/領域番号 |
24500733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大庭 昌昭 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40303094)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究は、平泳ぎの高強度領域におけるグレーディングに関与するパラメータを明らかにすることを目的として、主にキック動作とコーディネーションに焦点をあて進めるものである。平成24年度は、3年計画の一年目にあたり、キック動作が平泳ぎのグレーディングに及ぼす影響の検証を行なう計画であった。 主な研究成果は、以下の通りである。 1、キック動作の違いが泳速度調節にどのような影響を与えているのか、バタ足動作との比較を通して明らかにすることが出来た。平泳ぎのキック(かえる足)は、バタ足とは違って推進局面時の動き方を細かく変化させることが難しい動作であり、このことが速度調節に影響していることが示唆された。 2、日本体育学会、日本水泳・水中運動学会、日本コーチング学会において、本研究に関わる研究者との意見交換を行い、「努力度の変化を10%より細かく区切ることは、主観的なものとしては難しさがあること」「各泳法の動作特性が違うため、キック動作とプル動作の最大回転数には違いが生まれ、そのことがコーディネーションに影響するであろうこと」など、今後の実験計画に必要な意見交換をすることが出来た。 3、水中での動作分析に不可欠な水中撮影システムを構築し、分析方法も含めて検討することが出来た。次年度以降に実験を実施するためには、もう少し改善する必要な課題(移動する泳者をどのように撮影するのか、など)があることも把握することが出来た。 以上3つの主な成果を得たことで、本研究全体の方向性が間違っていなかったことを確認するとともに、さらに詳細な検討をすることが可能となり、次年度以降にメインとなるコーディネーションに焦点をあてた研究を進めることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平泳ぎの努力度利用に関する実践的示唆を与えることによるパフォーマンス向上の可能性を検証することが、本研究の目的であった。その第一段階としてキック動作の影響を検証することが、本年度の一つの目的であり、このことに関しては、ほぼ順調に研究を進めてきたと考えている。 しかし、当初購入を計画していた「水中撮影システム」が製造中止のため、それに変わるシステムを構築すること、そのための分析方法を検討すること等、当初想像していたこととは違う状況となったことで、本研究の進行をやや遅らせる結果となった。 (結果的には、当初計画していたものよりも、高解像度の映像を撮影できることとなり、次年度以降の実験では当初購入のカメラよりも良い映像が撮影できると考えている)
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今後の研究の推進方策 |
当初予定の実験を実施する準備はほぼ整ったので、次年度の早い段階で、課題1(キック動作が及ぼす影響)についての実験を実施する予定である。その他の計画は、細かな実験内容には多少の変更(努力度の変更など)が考えられるが、ほぼ計画どおり推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
残額となった研究費は、実施予定であった実験を年度内に行なうことが出来なかったために生じたものである。次年度の早い段階で計画した実験を実施する予定である。したがって、そのためのプール使用料や人件費等の支出として使用する予定である。 また、当初の計画で申請した次年度の経費については、既に前倒し請求した経費以外は、ほぼ当初の予定どおり年度を通して使用する計画である。
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