研究実績の概要 |
人々とスポーツと社会をつなぐ『価値観構造』を実証的に検討する目的で着手した.『価値観』は人々の葛藤への対処や現実社会に生き抜く叡智を形成する理念総体.2011年3月,我国を襲った東日本大震災の社会的損失は想定の域を超え,スポーツ活動の自粛観を惹起.一方で直後からスポーツ界は地域救済への様々な義援活動を展開する.本研究は新しい社会学・経営学理論である『希望学』や『時間展望研究』等に学びつつスポーツ独自の価値観理解を社会経営に活かす論拠を提起する.極限状況からいかに次代へ挑む意志と動機を見出すのか.諸々の実践経営理論の援用によりスポーツ価値観経営モデルを構築する事が本研究の目的である.ネットワーク理論を用いて行った第一次研究から『人々は単一の価値観だけで生きるというより様々な価値観を積み上げるように,機に応じて組み合わせ日々の状況に適応してゆくのかもしれない』と議論を展開した(K. Sasak,Cognitive societal human values of sports: After the 2011 disaster of Japan, Social Sciences, 2(1), 1-6, 2013)次段界では、対象を、指導者、非スポーツ系学生に拡大し、より広い観点からスポーツの社会的価値観を考察した。その結果は現在投稿中であるが、今回も社会学プロパー誌への掲載を目指している。多様な社会経営学論点から、「存在論的脅威理論」、「ネットワーク理論」等の切り口の有効性を検討している。また国外の指導者を対象にしたデータも蓄積中であり、今後、考察に加えられる。ネットワーク分析については以下に発表している(K. Sasaki,K., et al, Performance Analysis of Sport,IX,94-99, 2013.)
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