3年計画の3年次となる平成26年度は、これまでの調査のまとめの年と位置づけ、以下の活動を中心に行った。 1.インターネットによる多国間アンケート調査の実施:グローバル化時代の「国家代表像」をテーマに、海外の研究協力者の協力を得てインターネットによるアンケート調査を実施した。対象としたのは、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーの主としてスポーツ科学を専攻する学部生や院生、約550名であった。その結果を分析し、スポーツのシンボリックな意味と国家へのアイデンティティの関係についての国際比較を行った。 2.研究協力者によるワークショップの実施:研究者の職務上の都合で、海外の学会で研究成果を発表することが困難となったため、その代替処置として、研究協力者を招聘してグローバル化時代の「国家代表像」をテーマにワークショップを実施した。アンケート調査の結果をベースに、分析と検討を行うと同時に、参加者に滋賀大学に在籍する日本人およびアジアからの留学生である学部生や大学院生を対象に、各国の実情について紹介してもらった。ワークショップの成果は、web等を通して公表する予定である。 3.研究協力者の所属機関での研究成果の発表:海外の研究協力者が所属する大学に赴き、スポーツ科学を専攻する大学院生を対象に、本研究の成果を報告し、情報・意見交換を行った。訪問した大学は、台湾・国立台湾師範大学、タイ・チュラロンコーン大学、マレーシア・マラヤ大学である。その結果、スポーツのグローバル化をテーマとした研究における国際的な協力体制の必要性を再確認することができ、今後の研究の進め方について有意義な示唆を得ることができた。
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