研究課題/領域番号 |
24500740
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長ヶ原 誠 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00227349)
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研究分担者 |
石澤 伸弘 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60368553)
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キーワード | マスターズスポーツ / イベント / レガシー |
研究概要 |
国内外のマスターズスポーツ大会の資料分析と共に、各大会主催者への質問紙調査を実施し、大会組織体制、大会プログラム開発、啓発キャンペーン実施に関する大会マネジメントの側面と、参加者や開催地域に対する大会開催の効果項目についての分析を行った。その結果、これまでのマスターズスポーツ大会は様々な恩恵を主催地や主催国に残しており、社会的メッセージを伴った大会キャンペーンや周知活動により、既知のスポーツ活動効果を超えた様々な便益をもたらすことが明らかとなった。大会組織は、各大会の特性に関する便益の最大化に努めながら、開催地域の歴史的・自然的環境を含めた特性を考慮しながら、潜在的な便益を顕在化させ、短期的・長期的便益を生み出していくレガシー戦略が見られる。これらの大会レガシーは、「個人」、「交流」、「経済」、「文化」、「未来」の側面が挙げられ、生き甲斐やアクテイブエイジング等の個人レベルにおける「人生」の活性化を中心に、対人交流、地域交流、国際交流、あるいはマスターズスポーツに特徴的な世代間交流を含めたコミュニケーションと相互理解の活性化、また、観光・スポーツ産業に代表される経済活性化が認められる。また、マスターズスポーツは、成熟した生涯スポーツ文化のシンボルであるそのテーマを掲げながら、生涯スポーツやスポーツツーリズムの文化振興を加速化している傾向が見られる。さらには中高年アスリートの大会PRにより、これまでのネガティブな加齢観や高齢者像のステレオタイプや偏見を払拭し、明るく活力に満ちた人生観を育もうとする教育的・啓発的効果への期待が大会運営の質的調査より明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析対象となるイベントと関係者へのコンタクトがスムーズに実行でき、量的なデータと共に、インタビューデータや資料データ等の内容分析を行うための質的な情報が獲得された。
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今後の研究の推進方策 |
分析対象となったイベントを主軸に、大会内容の異なる大会種目や地域性、大会指針を持つ比較イベントを抽出し、他の可能性のある大会概念・運営方法と大会効果の因果関係について追求していく必要性がある。
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