研究課題/領域番号 |
24500750
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研究機関 | 北翔大学 |
研究代表者 |
山本 敬三 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (00405698)
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研究分担者 |
松澤 衛 北翔大学, 生涯学習システム学部, 准教授 (20433469)
坪倉 誠 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40313366)
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キーワード | スキージャンプ / テイクオフ / 数値流体解析 |
研究概要 |
平成25年度には、風洞実験と数値流体解析(CFD)を行った。 風洞実験では、前年度に作成したスキージャンプ模型(1/2サイズ)を風洞内に固定し、空力特性(揚力、抗力および表面圧力分布)の計測を行った。計測用の模型は2姿勢(助走モデル、踏切モデル)を準備した。風洞の計測断面2.8m×2.8mで、風速条件を10-40m/s(5m/sステップ)に変化させて計測した。また、模型表面に約80点圧力孔(φ1.1mm)を設け、圧力センサーを用いて、圧力分布の計測を行った。風洞実験で得られた空力特性は、CFD計算結果の妥当性の検証として用いた。 CFDの計算領域は、風洞内の装置の配置を考慮して再現した。流体計算には、流れ場に計算格子を作成する必要があり、この格子が結果を左右するため、計算条件を変化させて、風洞実験で得られた空力特性に近づく条件を模索した。結果、最大で8000万要素の格子作成が必要とされた。この計算条件では、踏切モデルでは実験の空力特性に近い空力特性データを得る事ができた。しかし、助走モデルでは、揚力値が低く見積もられることが分かった。その原因として、背面頸部の凹部で起こる気流はく離がCFDで再現できないことが原因と考えられた。テイクオフ動作中のスキージャンパーの空力特性を明らかにするために、踏切モデルの計算条件を用いて、頭部、体幹、上肢を剛体セグメントとみなし、迎角変化中の空力特性を計算した。迎角変化の異なる2選手の動作について分析した結果、揚力や抗力に比べて、ピッチングモーメントに大きな差が現れることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に準備の遅れで実施できなかった風洞実験が行われ、必要な空力データの取得に成功した。計測データに基づいてCFD計算条件の検証を繰り返し行った。当初の研究計画では、この検証作業に多くの時間がかかることが予想されていたが、風洞実験で、詳細な空力特性を測定できたことで、スムーズに計算条件を決定することができた。この計算条件を用いて、頭部・体幹・上肢の剛体モデルで流体解析を行うことができた。実動作の分析を基に、CGアニメーションを作成し、テイクオフ動作の姿勢がピッチングモーメントに影響を及ぼすことを示す結果を得た。交付申請書の計画通りに遂行されていることから、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果で、CFDの計算条件を確立できたので、今後は下肢を含めた全身のCGアニメーションを作成し、CFDを実施する。ここでの課題は計算格子の作成方法である。関節運動を含むため計算が発散しない格子作成を模索する必要がある。テイクオフ動作中のスキージャンパー周辺の気流状態や空力特性を定量化し、空気力学的な最適動作を考察する。研究成果を学術論文として発表する。一方で、指導現場には、本研究の知見をフィードバックする資料を提供する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として支出予定であったが、残額が少なくなったため支出を控えた結果、残額が残ってしまったため。 物品費として、支出予定
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