研究課題/領域番号 |
24500754
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉村 雅文 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (10210767)
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研究分担者 |
池田 浩 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10301508)
長尾 雅史 順天堂大学, 医学部, 助教 (50384110)
青葉 幸洋 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50561643)
福士 徳文 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助手 (70616185)
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キーワード | 女子サッカー / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究では、今後、日本において益々発展が予測・期待される女子サッカーに焦点をあて、女子サッカー選手の体力要素に関して、GPSシステムを用い測定・分析を行うとともに、女子サッカー選手の傷害についても調査・分析を行い、女子サッカー選手の競技力向上のための科学的・医学的データの蓄積を目的とした。 平成25年度は、競技レベルと体力の関係を明らかにするために、競技レベルの違う2チーム(なでしこリーグ所属:Jなでしこ、関東大学女子リーグ1部所属:J大学)の女子サッカー選手を対象に、競技レベルと下肢パワーの関係を検討するために、超音波診断装置(SSD900,Aloka)を用いて大腿前部の筋厚および皮下脂肪厚の計測を行った。また、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、スクワットジャンプ(SQJ)の測定、等速性筋力測定装置(BIODEX)を用いて、膝関節伸展・屈曲筋筋力を定量化した。その結果、筋力と相関の高い筋厚、膝関節伸展・屈曲筋筋力測定の結果に2群間に有意差は見られなかったが、サッカーに近いパフォーマンスであるCMJ、SQJの結果に有意差が見られ、先行研究と同様のことが女子サッカー選手に於いても確認された。 さらに、女子サッカー選手の競技力向上のために、競技カテゴリーの異なる女子サッカー選手および男子サッカー選手を対象に、試合中のパスの距離、本数、成功率を分析した。その結果、女子サッカー選手は、男子サッカー選手との比較において、試合中のパス1本あたりのボールの移動距離が短く、ショートパスの本数と割合が多いこと、また、ロングパスの本数と割合が少ないこと、ディフェンディングサードとミドルサードでのパスが多い特徴が明らかになった。さらに、競技カテゴリーが高くなるにつれてパスの距離が短くなること、ショートパスの割合と成功率が高くなる傾向が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、平成24年度、平成25年度中に行うべき測定・実験はほぼ順調に終了しているが、GPSを使用して測定した、試合中の移動距離、移動スピード、移動軌跡、心拍数について、やや分析が遅れている。また、女子サッカー選手の傷害調査に関してもやや遅れているので、大至急、整形外科医およびトレーナーと協力して実施したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究を進める中で、また、先行研究において、女子サッカー選手の競技力と「アジリティ能力(ターン能力)」が大きく関係していることが予想される。そこで、本年度、OPTO Jump Nextを用い、女子サッカー選手の「アジリティ能力(ターン能力)」の測定を実施し、この3年間蓄積した、フィジカルデータ、GPSデータ、大腿前部の筋厚および皮下脂肪厚データ、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、スクワットジャンプ(SQJ)、膝関節伸展・屈曲筋筋力データ、アジリティ能力(ターン能力)データ、技術的・戦術的データ、ACTN3遺伝子分析、傷害調査、そして、海外のデータ比較を含めて、成果報告をしたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度に海外の学会で発表および情報収集を行う予定であったが、日程等の調整が難しく計画通りに実行できなかったため。 国外のデータおよび情報収集のための旅費、実験・調査協力者に対する謝金が必要になる。
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