研究課題/領域番号 |
24500757
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
広沢 正孝 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60218831)
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研究分担者 |
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20360117)
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キーワード | 一体感 / スポーツチーム / 集団凝集性 / グループ・ダイナミクス / 尺度作成 |
研究概要 |
平成25年度の研究実施状況については、概ね実施計画に即して研究を推進させることができたと考える。しかし、一部で軌道修正の必要な箇所が見受けられたため、その点を修正、変更し、研究を進めた。 具体的には、前年度実施したスポーツ集団をはじめとする集団凝集性研究のレビューを通じて、欧米を中心に蓄積されてきた集団凝集性に関する知見、概念を文化的背景の異なる日本人へ、そのまま当てはめることには慎重を期す必要があるなど、わが国でスポーツ集団の凝集性研究を推進するに先立ち、様々な壁や弊害に遭遇した。 そこで、まずは、わが国における集団凝集性研究の基盤を整備する必要性が出てきたため、その課題解決に努めるべく、スポーツ集団を含めた多様な集団を研究対象に位置づけるグループ・ダイナミクス研究の理論に基づき、集団凝集性を構成する一下位概念である「一体感」に注目した研究を進めることとした。なお、一体感については、われわれ日本人がスポーツ場面のみならず、多様な社会場面においても重要視していること、これまでほぼ未着手の研究テーマであったことなどを鑑みて、スポーツチームの一体感に関する研究を展開した。大きくは2つの作業に取り組み、第1にスポーツチームの一体感を評価することのできる尺度を作成した。第2に、一体感の関連要因を検討し、スポーツチームの一体感がメンバーの持つ属性およびチームの規模(構成人数)と関連することが明らかになった。 以上の研究成果は、英語で刊行される学術雑誌に原著論文として掲載され、また国内外のスポーツ心理学、コーチング科学に関わる主要な学術会議においても公表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究が概ね進展していると推察される理由として、①集団凝集性に関する新規的な研究を提案することができたこと、②集団凝集性の下位概念である一体感に注目した研究に着手したこと、③学術雑誌および国内外の学術会議にて研究成果を公表することができたことなどが挙げられる。 以上のことから、本研究は順次進展していると評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、本研究課題の完成年度となる平成26年度内に、スポーツチームの一体感とチームおよび選手のメンタルヘルスとの関係性がどのようになっているかについて、スポーツ選手、チームのメンタルヘルスに関する先行研究のレビューを徐々に進めている段階である。今後は、その検討を通じて、スポーツチームの一体感が選手、チームのメンタルヘルスにどのような影響を及ぼすか、さらには競技パフォーマンスとどのようにつながっているかについて検討を進め、スポーツチームが高質なパフォーマンスを発揮する上で、有効となる一体感やメンタルヘルスの在り方について明らかにし、スポーツ心理学やコーチング科学、社会心理学の発展に資したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画よりも研究が進行し、その成果を公表するに当たって、英文校正費や謝金が必要となった。そのため、当該経費を前倒し支払請求を利用し、その分に計上したが、その後特に出費の必要なものがなかったため、前倒し請求を行った分の差額を次年度使用額として残すこととした。 次年度へ繰り越しとなった額については、平成26年度が研究課題の最終年度となることもあり、得られた研究成果を学術論文として、さらに広く公表したいと考えているため、それに関わる諸経費に転用したい。
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