研究実績の概要 |
本研究では、都市型市民マラソンの参加者(ランナー)を対象として、表明選好型アプローチである仮想評価法(Contingent Valuation Method:CVM)による調査研究を行った。仮想評価法は、スポーツイベントの参加条件の変化に対する支払意思額を尋ねることでイベントの価値を評価する手法である。奈良マラソン2015の参加料についての仮想的な質問項目を設定するにあたり、9,000円、10,000円、12,000円の支払提示額を測定項目とした。データの収集では、回答者に対して、はじめに10,000円の参加料を提示し、次に、参加すると答えた回答者には12,000円の参加料を提示し、参加しないと答えた回答者には9,000円の参加料を提示した。 本研究の調査は、奈良マラソン2015ランナーを対象としてインターネット調査を実施し、2,607票の有効回答を得ることができた。収集したデータについては、データクリーニングを行い、3つの支払い提示額の完全回答のみを抽出した。データの分析では、統計パッケージSPSS Statisticsを用いることによって、スポーツベント参加料の各支払提示額に対する回答者の反応を明らかにした。 以上のように、都市型市民マラソンの仮想的な参加料を設定し、実際のマラソン参加者に具体的な参加料を提示することでスポーツイベント参加料の支払意思を分析した。そのことで、都市型市民マラソンに対するマラソン参加者の経済価値評価について実証することができた。
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