研究課題/領域番号 |
24500772
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
小森 康加 大阪国際大学, 人間科学部, 准教授 (90296773)
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研究分担者 |
榎本 至 鎌倉女子大学, 教育学部, 准教授 (40435277)
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キーワード | 水球競技 / 投球速度 / 体力 / トレーニング |
研究概要 |
水球競技において、シュート時の投球速度は、競技力を構成する重要な要因であるが、投球速度を決定する体力的要因は明らかではない。これは、投球速度が多くの体力要素で構成され、複雑に関与しているためであると考えられる。従って、本研究では、水球競技におけるシュート時の投球速度と陸上および水中における体力テストとの関係を検証することによって、投球速度に関連する体力要素を明らかにすることを目的とした。 昨年度は、高い競技レベルを有する水球選手42名を対象に、1)水中での投球速度、2)陸上での投球速度、3)水中での体力測定を実施した。その結果、水中での投球速度と陸上での投球速度との間には、高い相関関係が認められた。この結果より、陸上における投球速度を向上させるトレーニングが水中での投球速度向上に有効である可能性が示唆された。また、体力測定項目の中では、水中垂直跳びが水中での投球速度と高い関連性を示した。水中メディシンボール投げおよび支重泳には中程度の相関関係が認められたことより、水中での投球速度は立泳ぎの瞬発的な推進力と関連していることが推察された。 本年度は、高い競技レベルを有する水球選手19名を対象に、上肢および下肢の投球速度に対する貢献度を検討した。その結果、下肢の動作制限を行った投球速度は、通常の投球動作時と比較して16.8%の低下を示した。この結果より、水中での投球速度は下肢の動作の貢献度が重要であることが認められた。従って、投球速度を向上させるためには、下肢を中心としたトレーニングを確立する必要性が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの状況は、おおむね順調に進展していると考えられる。その理由としては、測定を予定していた対象者に、測定項目の大部分を実施することができ、研究計画において、希望していたデータをほぼ収集することができたことが挙げられる。 また、これまでに得られたデータを分析した結果、当初、仮説を立てていたような結果が得られたことから、次段階の投球速度を向上させるトレーニングプログラムを検討するという研究実施へと進むことが可能であると考えられるからである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究実施にて、得られた結果を分析し、学会および論文にて、発表を行っていく。 また、今年度に得られた結果を基盤とし、次段階として、投球速度を向上させるトレーニングプログラムを検討するという研究を実施していく。昨年度、購入した携帯型高速度カメラユニット、および既存の機器を使用して、測定を継続して実施していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度中に完了予定であった実験計画の一つが完了できず、次年度に継続して実施する状況が生じたため、次年度使用額が生じた。 次年度の研究費の主な使用計画は、国際学会での研究発表における旅費と論文投稿に関する英文校正や掲載料である。これまでに得られた結果を分析し、成果発表を行うことにより、研究成果を発信していきたいと考える。
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