さまざまな細胞の機能発現に重要な分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(マップキナーゼ)は骨格筋でも発現がみられるものの、不明な点が多い。本研究では、筋線維のタイプ発現とマップキナーゼの関連について検討した。 実験1では、ラット下肢のヒラメ筋、足底筋、腓腹筋表層部、腓腹筋深層部の筋線維組成とマップキナーゼタンパク質発現量の関連を調べたところ、筋に占める速筋線維の割合が高いほど、マップキナーゼ発現量も多い傾向がみられた。 実験2では、ラットヒラメ筋において発育に伴い、遅筋線維の割合が増加するに伴いマップキナーゼタンパク質の発現量は減少する傾向にあることを認めた。 これらの結果から、マップキナーゼタンパク質は骨格筋の速筋線維の発現に関与する可能性が推測された。
|