研究課題/領域番号 |
24500792
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
六崎 裕高 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50550927)
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キーワード | 前十字靭帯再建術 / ・リン酸カルシウム複合化腱 / 骨孔拡大 / UFSロボティックシステム |
研究概要 |
下記のごとく3群に分けたヤギ(ザーネン種、メス)21頭を予定期間内に全て屠殺した。 ① 解剖学的前十字靭帯1重束再建・リン酸カルシウム複合化腱非使用(N=7) ② 解剖学的前十字靭帯1重束再建・リン酸カルシウム複合化腱使用(N=7) ③ 解剖学的前十字靭帯2重束再建・リン酸カルシウム複合化腱使用(N=7) 全例感染なく、移植靭帯は残存していた。手術を行った右膝と手術を行っていない左膝を採取した。その際、大腿骨は近位、脛骨は遠位から十分な長さの骨を確保して切断した。採取後の膝は、余分な軟部組織を切除後に生理食塩水を含ませたガーゼに包んでポリエチレン製の袋に小分けし、-20℃の冷凍庫に保管した。 骨孔拡大評価のためCTにおける計測を行った。解剖学的前十字靭帯1重束再建・リン酸カルシウム複合化腱非使用群と解剖学的前十字靭帯1重束再建・リン酸カルシウム複合化腱使用群の間で、骨孔断面積はリン酸カルシウム複合化腱使用群の大腿骨側(48.7±11.9mm2)の方が、リン酸カルシウム複合化腱非使用群(59.2±7.2 mm2)に比べ有意に小さいという結果を得た。リン酸カルシウムの骨形成能が骨孔拡大を抑制したと考えた。また、取り出した膝は、6自由度を有するUFSロボティックシステムに接続し、膝最大伸展、屈曲60度、屈曲90度において、脛骨にそれぞれ前方力50N、内旋モーメント2.5Nmを加えた際の脛骨の移動量と移植腱に生じた張力を算出している。現在、検体の1/4程度が終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、年度内にヤギ全頭の屠殺が完了し、CT評価が終了した。UFSロボティックシステムでの力学試験も順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
指定の期間ですべてのヤギに関して、6自由度を有するUFSロボティックシステムに接続する。膝最大伸展、屈曲60度、屈曲90度において、脛骨にそれぞれ前方力50N、内旋モーメント2.5Nmを加えた際の脛骨の移動量と移植腱に生じた張力を算出する。上記力学試験が終了し次第、検体を切り出し、組織標本を作製し、移植腱と骨孔の固着形態を形態定量する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費の使用残が生じた。 今年度交付額と合わせて物品購入等に使用する。
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