研究課題/領域番号 |
24500792
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
六崎 裕高 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50550927)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リン酸カルシウム複合化腱 / 解剖学的前十字靭帯再建術 / ヤギ |
研究実績の概要 |
リン酸カルシウム(CaP)複合化腱を用いたヤギ解剖学的前十字靭帯(ACL)再建術を3群に分け評価した(①1重束再建・CaP複合化腱非使用(N=7)、②1重束再建・CaP複合化腱使用(N=7)、③2重束再建・CaP複合化腱使用(N=7))。 CTを用い、骨孔拡大率を評価した。1重束再建・CaP複合化腱非使用群と1重束再建・CaP複合化腱使用群の間で、大腿骨側骨孔断面積骨孔拡大率において、CaP複合化腱使用群の方がCaP複合化腱非使用群に比べ有意に小さいという結果を得た(p < 0.05)。CaPの骨形成能が骨孔拡大を抑制したと考えた。また、2重束再建・CaP複合化腱使用群は、脛骨側骨孔断面積骨孔拡大率において、1重束再建・CaP複合化腱非使用群および1重束再建・CaP複合化腱使用群に比べ有意に大きいという結果を得た(p < 0.05)。2重束再建では、移植腱の脛骨側骨孔内での動きが大きいと考えた。 力学試験は、膝最大伸展、屈曲60度、屈曲90度において、脛骨にそれぞれ前方力50N、内旋モーメント2.5Nmを加えた際の脛骨の移動量と移植腱に生じた張力を算出する。これまでに、正常膝6検体、1重束再建・CaP複合化腱非使用群4検体、1重束再建・CaP複合化腱使用群4検体が終了した。 力学試験後、1重束再建・CaP複合化腱非使用群4検体、1重束再建・CaP複合化腱使用群4検体は、移植腱‐骨孔部分の矢状面を切り出し、組織評価用にホルマリン固定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予期せぬ力学試験機の故障のため、力学試験機の修理、ソフトの入れ替えを行った。そのため、当初より力学試験が遅れ研究期間を1年延長した。力学試験機が正常に稼働することが確認されたため、これまでに正常膝6検体、1重束再建・CaP複合化腱非使用群4検体、1重束再建・CaP複合化腱使用群4検体を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度前半までに、1重束再建・CaP複合化腱非使用群、1重束再建・CaP複合化腱使用群の残りと2重束再建・CaP複合化腱使用群の力学試験を施行し、統計学的に評価する予定である。力学試験が終了した検体に関しては、順次、組織標本を作製し、今年度後半までに、移植腱と骨孔の固着形態を形態定量する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予期せぬ力学試験機の故障により、力学試験機の修理、ソフトの入れ替えを行う必要があり、力学試験、組織標本作成・組織形態定量評価、論文投稿ができず未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
組織標本作成に関する消耗品費用、英語論文校閲費用に充てる。
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