研究課題/領域番号 |
24500796
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
諏訪 雅貴 東北工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50464392)
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キーワード | 骨格筋 / 加齢 / 運動 / サルコペニア / 筋線維数 |
研究概要 |
本年度は、まず加齢に伴う筋線維数の減少が運動や筋活動により抑制されるのかについて、ICR系雄性マウスを用いて3か月齢からの24か月齢までの持久的運動(回転車輪付きケージでの飼育による自発走運動)またはレジスタンス運動(腓腹筋の腱切除による足底筋とヒラメ筋への機能的過負荷)を施した実験の骨格筋サンプルの収集を行った。持久的運動については平成25年度中にサンプル収集を終了した。その結果、持久的運動はヒラメ筋の筋萎縮を抑制することが明らかとなり、筋線維数の分析を進めた。また、レジスタンス運動の実験に関してはサンプル収集が大部分終わり、平成26年度に入ってすぐに分析を開始できる状況となっている。少なくとも、ヒラメ筋ではレジスタンス運動により加齢に伴う筋重量の低下が完全に抑制されることが明らかとなっている。 また、レスベラトロール投与が筋萎縮に伴う筋線維数の減少を抑制できるのについても検討した。まず、ICR系雄性マウス(n = 12)の片脚の坐骨神経を切除して筋萎縮を生じさせ、反対脚は偽手術を行う対照脚とした。それらのマウスを対照群(n = 6)およびレスベラトロール群(n = 6)に分類し、レスベラトロール群ではレスベラトロールを8週間混餌投与(0.04%)した。投与期間終了後に足底筋とヒラメ筋を摘出して筋重量と筋線維数を分析した。その結果、除神経により筋重量と筋線維数は減少し、筋萎縮が確認されたが、レスベラトロール投与には筋萎縮を抑制する効果は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自発走運動の実験についてはサンプル収集が終了し分析に取りかかっていることから、予定通り順調に進行していると言える。また、レスベラトロール実験については筋線維数の分析まで終了していることから当初の計画よりも大幅に進展している。機能的過負荷の実験についてはやや遅れているが、レスベラトロール実験の進行状況を合わせて全体の仕事量から考えると、おおむね順調な進展状況と言ってよい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、サンプル収集の作業がわずかであるため、残りの分析作業(筋線維数のカウント及び生化学的分析)を滞り無く進めていき、年度の後半には論文投稿を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表を行わず、その代わりに英文校正や消耗品の費用としたが残額が生じたため。 英文校正や消耗品に使用する予定である。
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