研究課題/領域番号 |
24500801
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田口 素子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (90360734)
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研究分担者 |
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (70164069)
高田 和子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, その他部局等, その他 (80202951)
福 典之 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), その他部局等, 研究員 (40392526)
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キーワード | 基礎代謝量 / 身体組成 / 競技特性 / 競技者 / エネルギー代謝 |
研究概要 |
本研究は、アスリートの基礎代謝量の個人差に影響を及ぼすと考えられる要因のうち、まだ解明されていない身体組成と競技特性に焦点を絞り、アスリートの各臓器・組織量と基礎代謝量との関係を明らかにし、さらには、褐色脂肪細胞の影響と遺伝子多型についても検討し、身体組成や競技特性と基礎代謝量との関係に影響する要因を導き出すことを目的としている。 平成24年度(1年目)には、アメリカンフットボール選手11名、水泳選手12名及びボート選手12名を対象として、基礎代謝量測定、血液検査、身体組成測定(DXA法)、MRIによる全身撮像、食事調査、二重標識水法(DLW法)による1日の総エネルギー消費量、最大酸素摂取量測定を実施した。MRI画像から臓器量(脳、肝臓、腎臓、心臓)を推定するのは多大な労力を要するため、現在データ解析を継続中である。 平成25年度(2年目)は、エネルギー代謝に影響を及ぼす可能性が考えられる褐色脂肪細胞と遺伝子多型について測定した。1年目と同様の被験者に19度で2時間の寒冷暴露を行い、暴露前後における体表温度の変化、代謝率の変化、呼吸交換比などの変化から、基礎代謝量に褐色脂肪細胞が影響する可能性について検討を行った。 また、β3-アドレナリン受容体遺伝子、脱共役たんぱく質(UCP1)遺伝子、β2-アドレナリン受容体遺伝子などはエネルギー代謝に影響を及ぼす遺伝子であることが一般人を対象とした先行研究で明らかとなっている。そこで本研究では被験者の血液からこれらの遺伝子多型の有無について測定した。 現時点までに、本研究で予定していた測定をすべて終了し、データ整理を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年名に測定を実施した項目のうち二重標識水法によるエネルギー消費量のデータの一部、及びMRIで撮像した画像を分析することにより算出する臓器量のデータがまだ解析中である。いずれも解析には多大な労力を要するものであるが、分析を担当していた者が就職して分析者が変わり、解析方法を習得するのに時間を要したためである。現在、データ解析を鋭意進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
臓器量及びエネルギー消費量を含むすべてのデータ解析が終了したら、1年目と2年目に収集したすべてのデータを統計処理し、基礎代謝量の個人差に影響する要因について詳細に検討する予定である。また、学会発表及び論文執筆の準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
MRI画像より臓器量を分析する作業を依頼している大学院生の謝金及び2年目の寒冷暴露による褐色脂肪細胞の影響を検討する研究に参加した被験者の謝金の一部がまだ未払いであるため。 分析を担当する大学院生への謝金及び被験者謝金として使用するほか、学会発表時の旅費として使用する予定である。
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