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2012 年度 実施状況報告書

子どもの覚醒水準を高める朝の身体活動プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24500808
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本体育大学

研究代表者

野井 真吾  日本体育大学, 体育学部, 准教授 (00366436)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード覚醒水準 / フリッカー / 棒反応 / メラトニン
研究概要

本研究は,子どもの日中の覚醒水準を高めるために小学校現場で実現可能な朝の身体活動プログラムを開発することを最終的な目的としている.平成24年度は,小学生における日中の覚醒水準の実態及び学校現場でも測定可能な子どもの覚醒水準の生理・生化学的指標について,以下の2つの調査を実施した.
1つ目の調査は,男子学生18名を対象として,2012年7月に実施された.この調査では,10分間の走行運動によるフリッカー値と棒反応値の変化率を比較した.その結果,フリッカー値に比べて棒反応値の変化率の方が大きい者が有意に多い様子が示された.このような結果は,フリッカー測定に比べて棒反応測定の方が覚醒水準をより鋭敏に捉えているものと考えられた.
2つ目の調査は,首都圏の公立小学校3校に在籍する小学5~6年生86名を対象として,2012年10~11月に実施された.調査では,火曜日もしくは水曜日の21:30(夜),その翌朝の6:30(朝),9:00(始業時)の唾液メラトニン濃度が測定された.なお,この調査では,対象者が在籍する小学校の1~6年生720名を対象として,寒冷昇圧試験,記号記憶検査,go/no-go実験の諸測定および質問紙による生活状況調査も実施された.その結果,対象校の子どもの自律神経機能,短期記憶能力,選択反応能力は,日本の多くの子どもたちと大差がない様子を確認することができた.そのような対象に対して行われた唾液メラトニン濃度の測定では,夜と朝に比べて始業時のそれが極端に低値を示し,しかも標準偏差が小さい様子も確認された.このような事実は,唾液メラトニン濃度を用いて始業時の覚醒水準の多寡を検討することが困難であることを示唆している.この点については,唾液クロモグラニンA濃度,唾液コルチゾール濃度,唾液免疫グロブリンA濃度等,別のストレスマーカーでの検討を次年度の研究課題にしたいと考える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度の研究実施計画では,小学生における日中の覚醒水準の実態および学校現場でも測定可能な子どもの覚醒水準の生理・生化学的指標について検討することが目的であった.
そのような計画のもとに行われた平成24年度の調査では,子どもの覚醒水準の生理的指標として棒反応測定の有効性を確認することができた.この点は,予定通りの研究成果であると考えることができ,順調な進展といえる.また,生化学的指標には唾液メラトニン濃度ではなく,唾液クロモグラニンA濃度,唾液コルチゾール濃度,唾液免疫グロブリンA濃度等,別のストレスマーカーでの検討が必要であることを確認できた点も当該年度の重要な研究成果であると考える.
対して,上記の生理・生化学的指標を確定した上で,小学生における日中の覚醒水準の実態を検討するまでには至らなかった.この点については,当初の予定に照らすとやや遅れている状況にあるとはいえ,当初より予定されている平成25年度の研究実施計画の中で達成できる課題であるとも考えている.

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策については,調査対象校との協議により若干の微調整は予想されるものの,当初の計画に大きな変更はない.
すなわち,平成25年度は,小学校現場における朝の身体活動,読書の各実施日および非実施日の覚醒水準を比較する.また,平成26年度は,子どもの覚醒水準を高める朝の身体活動プログラム案を作成,実践し,それを検証する.以上の検討を通して,子どもの日中の覚醒水準を高まるために小学校現場で実現可能な朝の身体活動プログラムを開発する予定である.

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] 睡眠状況と始業前活動が子どもの短期記憶能力に及ぼす影響:小学生を対象として2013

    • 著者名/発表者名
      壱岐昌広,野井真吾
    • 学会等名
      日本幼少児健康教育学会第31回大会[春季:大和大会]
    • 発表場所
      聖セシリア女子短期大学
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] 睡眠状況と始業前活動が子どもの選択反応能力に及ぼす影響;小学生を対象として2013

    • 著者名/発表者名
      鹿野晶子,野井真吾
    • 学会等名
      日本幼少児健康教育学会第31回大会[春季:大和大会]
    • 発表場所
      聖セシリア女子短期大学
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] 子どもの高次神経活動と自律神経活動との関連:その2 血圧測定不能者に注目して2013

    • 著者名/発表者名
      小田俊一,鹿野晶子,野井真吾
    • 学会等名
      日本幼少児健康教育学会第31回大会[春季:大和大会]
    • 発表場所
      聖セシリア女子短期大学
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] 最近の子どもの高次神経活動の実態ーgo/no-go実験による型判定と陽性条件刺激に対する反応時間に注目してー2013

    • 著者名/発表者名
      鹿野晶子,野井真吾,上野純子
    • 学会等名
      日本発育発達学会第11回大会
    • 発表場所
      静岡産業大学
    • 年月日
      20130316-20130317
  • [学会発表] 小学生における短期記憶能力と睡眠状況・始業前活動との関連2013

    • 著者名/発表者名
      壱岐昌広,野井真吾
    • 学会等名
      日本発育発達学会第11回大会
    • 発表場所
      静岡産業大学
    • 年月日
      20130316-20130317
  • [学会発表] 小学生におけるメラトニン代謝と睡眠・始業前活動との関連2013

    • 著者名/発表者名
      野井真吾,鹿野晶子,小田俊一,壱岐昌広,鈴川一宏,小澤治夫
    • 学会等名
      日本発育発達学会第11回大会
    • 発表場所
      静岡産業大学
    • 年月日
      20130316-20130317
  • [学会発表] 午前中の覚醒水準に及ぼす運動の影響:大学生を対象として2012

    • 著者名/発表者名
      壱岐昌広,野井真吾
    • 学会等名
      日本幼少児健康教育学会第31回大会[秋季:岡山大会]
    • 発表場所
      ノードルダム清心女子大学
    • 年月日
      20120916-20120917

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公開日: 2014-07-24  

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