研究課題/領域番号 |
24500813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
本郷 実 信州大学, 医学部, 教授 (40209317)
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研究分担者 |
日高 宏哉 信州大学, 医学部, 准教授 (10362138)
小池 健一 信州大学, 医学部, 教授 (40143979)
阪口 しげ子 信州大学, 医学部, 教授 (90126863)
広田 直子 松本大学, 人間健康学部, 教授 (60218857)
横川 吉晴 信州大学, 医学部, 准教授 (50362140)
市川 元基 信州大学, 医学部, 教授 (60223088)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 保健健康管理 / 青少年 / 生活習慣病 / 学校健診 / HDLコレステロール / 社会啓発活動 / 学校遠隔健康教育 |
研究概要 |
科研費助成金交付1年目は、長野県内モデル3中学校の学校健診で従来の調査研究を継続し、以下の実績を得た。 1. 科学的エビデンスの構築:一般中学生1064名を対象とした検討により、男女いずれもHDL-Cの低値は日常運動習慣の低下と関連を示した。また、4分位法により男子のHDL-C最低位群では最高位群に比較して、2項目以上の生活習慣病を集積するリスクが有意に高値を示した〔補正オッズ比 (95% CI) 4.79 (1.45-16.0)〕。一方、女子では有意差がみられなかった。 2. 社会啓発活動:1)第4回市民公開講座開催(特別講演1:「子どものピロリ菌感染症と生活習慣病の予防」、特別講演2:「食習慣が子どもの成長に与える影響」、2)第26回松本市健康フェスティバルで医療チームによる「家族で予防 生活習慣病:ミニドックから健康相談まで」出展(身体測定、血液検査、個別の結果説明、食事・生活指導)、3)中学校で「出前クリニック」(医療チームによる生徒の集団健康教育および保護者を交えた健康・食事・生活の個別指導)(1回)、出前授業(生活習慣改善、生活習慣病予防)(1回)実施、4)食育講座開催(1回)、5)信州大学医学部附属病院近未来医療推進センターで、夏休みおよび春休み期間中に青少年とその家族を対象として、健康的な食生活・運動習慣の提案、推進に重点を置いた国内初の「生活習慣病予防外来」を実施し、高い評価を得た。6)モデル中学校のひとつと光ファイバー回線で結び、テレビ会議システムを用いて学校遠隔健康教育支援システムを開発した。 3. 自治体による青少年の生活習慣病予防事業支援:全国に先駆けて開始したこどもの生活習慣改善事業(松本市)および親子の食育講座(安曇野市)を強力に支援し、こどもの頃からの健康に関する保護者の意識の向上などの成果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1. 科学的エビデンスの構築:日本人一般中学生におけるHDL-Cと生活習慣、生活習慣病との関連および生活習慣病集積予測マーカーとしてのHDL-Cの意義を明らかにした。さらに、新たな生活習慣病集積予測マーカーの解析および中学生におけるピロリ菌感染の実態把握と予防の研究を開始した。 2. 従来から実施している地域と連携した各種社会啓発活動、生活習慣病予防外来を継続、推進した。また、新たに、モデル中学校のひとつと光ファイバー回線で結び、テレビ会議システムを用いて学校遠隔健康教育支援システムを開発した。
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今後の研究の推進方策 |
1. 青少年における生活習慣病関連検査項目の基準値設定:現在、多数の一般中学生を対象とした基準値設定作業が終了し、論文作成中である。2. 青少年の生活習慣病の集積を予測する新たな血液マーカーの検出:現在、中学生における血清シスタチンCと生活習慣病との関連について解析中である。3. 青少年のピロリ菌感染の実態把握と予防法の研究:現在、中学生において研究が進行中である。4. 学校遠隔健康教育支援システムの構築:遠隔地の学校における健康教育支援システムを構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
生活習慣病関連血液検査代金:700,000円、遠隔健康教育支援システム運用代金:250,000円、ピロリ菌抗体検査代金:150,000円、旅費:150,000円、人件費、謝金:150,000円
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