研究課題/領域番号 |
24500815
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小島 理永 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (10369382)
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研究分担者 |
藤田 和樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (00361080)
島本 英樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (50299575)
門田 浩二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50557220)
河野 史倫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90346156)
内藤 智之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90403188)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 健康教育 / Web版生活習慣調査 |
研究概要 |
大学生の生活習慣やメンタルヘルス等の健康状態を多元的視点から評価し追跡調査が可能なシステムを構築して,その汎用性を検討するため,平成24年度の研究期間内には,1)生活習慣調査尺度の作成および検討,2)Webアンケートシステムの構築,を計画した.そのため,大阪大学研究倫理審査に疫学研究として,平成24年5月30日申請し,平成24年9月25日のヒアリング審査を経て,平成25年1月16日に承認された.承認後には,以下の主な2点について実施した. 1)生活習慣調査尺度の作成 大学生を対象とした生活習慣予備調査(収集・解析済み)から236項目をもとに,大阪大学に在籍する全学部の1年生1,165名を対象に,Webによるアンケートを実施した.得られたデータより因子分析と内的整合性を検討した結果,生活習慣を構成する因子として7因子38項目を抽出した.この研究結果は,大阪大学高等研究 第1号(pp.41-51)に掲載された. 2)Webアンケートシステムの構築 Webアンケートシステムに必要な機能や画面の構築を行った.主に実施した事項は,①トップページのレイアウト,②同意チェック欄の追加,③サマリーレポートの表示および解説,④アンケート結果の閲覧および長期保存に際する安全面の配慮より,認証基盤システムによるシングルサインオン(SSO)連携申請,の4項目である.これらの機能の構築によって,平成25年度から全学部約3,000人以上を対象に,入学から卒業または修了までWebアンケートシステムの利用が可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今日の大学生が抱える健康問題より,初年次から自己の生活習慣や健康リスクに気づき,その対処方法を学ぶ健康教育の導入が重要であるため,本研究では,学生の身体的・精神的健康度を明らかにし,健康リスクの原因を解明することを目的として,大学生の生活習慣やメンタルヘルス等の健康状態を多元的視点から評価できるWebアンケートシステムの開発を行っている. 平成24年度では,大学生に特有の生活習慣やメンタルヘルスなどの健康度を多元的に評価できる尺度の開発に着手した.そのため,大阪大学研究倫理審査に疫学研究として,平成24年5月30日に申請した.平成24年9月25日のヒアリング審査を経て,平成25年1月16日に承認されたため,アンケート調査開始時期が当初の計画より若干遅れたが,その間にWebアンケートシステムにおけるコンテンツ構築を主に行ったため,平成25年度から,大阪大学全学部1年生(約3,000名以上)を対象にアンケートを実施することが可能となった. しかしながら,交付申請書に記載した保健センターとの健診データの連携に際しては,疫学研究倫理審査より,大学生の身体的・精神的健康度の関連性を明らかにした後に実施するよう,助言があったため,平成25年度の研究計画においては,平成24年度に得られたアンケート結果や新たに実施する調査結果より,大学生の生活習慣に関する横断研究を中心に実施する計画である.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度では,平成24年度に得られたWebアンケートのデータ分析や新たに実施する調査結果より,大学生の生活習慣に関する横断研究を中心に実施することを計画している.調査対象を大阪大学全学部1年生(約3,000人以上)とし,文系から理系のバイアスの少ない大学生の集団による身体的・精神的健康度を明らかにする.その結果,生活習慣とメンタルヘルス因果関係が明らかになり,うつなどの健康リスクの原因解明に役立たせることを検討している.また,平成24年度に構築したWebアンケートシステムを,調査対象者の利用ニーズにあわせて改善・修正を行う. 平成26年度では,生活習慣の不適応行動者に対する介入として,健康教育の効果測定を検討しており,大阪大学で開講されている健康・スポーツ教育科目(健康科学,健康科学実習)の授業開始時および終了時に,学生にWebアンケートシステムを用いて回答させることを予定している.そして,得られたデータから,学生の経時変化や意識変容,教育効果を測定する.なお,教育効果の促進方法として,授業内で身体活動量計や心拍計を使用し,学生に生活活動量や運動強度を記録,意識させる.そして,自分に見合った生活習慣の改善方法を考察させることを計画している.これらの結果から,Webアンケートシステムを用いた健康教育の教育効果を検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度における主な使用計画として,Webアンケートシステムの構築に際する機能増設があげられる.これは,疫学研究倫理審査の承認が遅れたため,平成24年度に支出予定であった5つの機能(①SSOログイン機能,②学生のクラス分け機能,③管理画面の回答閲覧権限切り分け機能,④マイページ機能,⑤システム統合機能)を平成25年度中に執行する.その他,当初,平成25年度の実施として計画していた2つの機能(①アンケート記録比較機能,②教員用サマリーレポート)も実施する.また,平成25年度分のサーバ・メンテナンス費を予定している.これらの機能については,使用内訳における「その他」で執行する. その他,平成24年度や平成25年度で得られた調査結果より,健康心理学または健康教育関連での学会発表および論文投稿を検討している.そのため,文献購入,学会に加入や参加に際する旅費が派生する.また,研究データの整理としてアルバイトの雇用も予定している.
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