研究課題/領域番号 |
24500815
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小島 理永 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (10369382)
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研究分担者 |
藤田 和樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (00361080)
島本 英樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (50299575)
門田 浩二 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50557220)
河野 史倫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90346156)
内藤 智之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90403188)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Webアンケート / ライフスタイル / 大学生 |
研究実績の概要 |
大学生の生活習慣やメンタルヘルス等の健康状態を多元的視点から評価でき,追跡調査が可能なWeb版多因子生活習慣アンケートシステムを構築し,健康教育で導入することでその汎用性を検討するため,平成26年度には,1)身体的健康度および精神的健康度とライフスタイルの関連性の検討,2)健康教育におけるWebアンケートの汎用化,について実施した.身体的健康度および精神的健康度とライフスタイルの関連性の検討においては,平成25年1月に実施したWebアンケートに回答した大学1年生(442名,男性255名,女性187名)を分析対象とした.抑うつ傾向とその影響要因について,抑うつ傾向の指標として,PHQ-9日本語訳版の合計点から抑うつ傾向の有無を評価し従属変数とし,下位尺度の合計点(四分位化)及び運動・身体活動の行動変容ステージ(運動習慣)を独立変数としたロジスティック回帰分析により,抑うつ傾向のオッズ比を算出した結果,抑うつ傾向のオッズ比は,肥満関連の食行動,ストレス,主観的健康観,自尊感情,運動習慣で基準群との間に有意差が認められた.特に,運動習慣ではオッズ比は高値を示し,実行期/活動量充足群に比べて,実行期/活動量不足群で4.7,準備期群で8.7,関心期/無関心期群で12.7であり,大学1年生では運動習慣が抑うつ傾向の影響要因になる可能性が示された.次に健康教育におけるWebアンケートの汎用化では,大阪大学で開講されている共通教育で開講されている健康スポーツ教育科目および少人数制による対話型授業(実践スポーツ・運動科学)で,学生に健康への気づきを促すことを目的に授業内でWebアンケートを導入した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Webアンケートを大阪大学全学部の1年生(約3,000人以上)に対して,年2回(1セメスター:4~5月,2セメスター:1~2月)を実施したが,1セメスターでは,1,042名の回答が得られたのに対し,2セメスターでの回答者数が452名であった.特に2セメスターでの回答者は,健康に関して比較的意識が高いバイアスがかかった集団だと考えられるため,生活習慣尺度の再現性と季節変動について確証まで至っていない.そのため,27年度には同じ規模の集団(1,000名程度)の回答を目標にデータ収集を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的どおり,年間を通じてWebアンケートを実施することにより,生活習慣尺度の再現性を確認し,大学生期における生活習慣とメンタルヘルスの因果関係の解明を検討する.また,Webアンケートを健康教育で引き続き導入し,その教育効果について測定することを予定している.教育効果の測定として,健康教育に関する授業で身体活動量計や心拍計を使用することで,学生に生活活動量や運動強度を記録し意識させ,自分に見合った生活習慣の改善方法を考察し実践させることを計画している.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年1月から9月末まで産休および育休を取得しており,その期間の研究は中断されていたため,当初予定していた使用額が使用できなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究計画遂行に伴いWebアンケートのさらなる充実を図るため,Webアンケートシステムの機能増設費,サーバ保守点検費ならびにメンテナンス費に充当する.また,次年度は健康教育でのWebアンケートの汎用性を検討するため,教育効果の測定に用いる身体活動量計や心拍計の購入を予定している.
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備考 |
本URLは科研費によって製作されたWebアンケートである.個人情報保護の観点より,調査対象者が所属する機関で発行されるIDとパスワードを入力しないとアンケートに参加できないように設計されている.
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