研究課題/領域番号 |
24500826
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
福田 早苗 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (50423885)
|
研究分担者 |
長見 まき子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (10388663)
小山 英則 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80301852)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 心身の健康 |
研究概要 |
1.疾患モデルでの疲労の主観・客観評価、及びその特徴の探索 ①代謝内分泌疾患患者での検討:兵庫医科大学に登録されている心血管系危険因子を1つ以上有する患者コホートには375名が登録されている。そのうち心血管イベントの既往がなく、睡眠、疲労等の項目すべてが評価できた150人を対象に調査を実施した。その結果、疲労は自律神経機能のLF値を負の相関を示し、この関連が心血管イベント発症につながる可能性を見出した。②うつ病患者での検討:うつ病は入院が必要な重度の事例では復職支援プログラムに参加可能な段階の患者とコルチゾール反応の起床時からピークまでの時間が異なる可能性が示唆された。男女の差や起床時刻(午前9時以降とそれ以前)の差による起床時コルチゾールの差異が報告されているが、本研究では差は認められなかった。今年度、復職支援対象に関しては、更に6例のエントリーを行い、現在、延べ32例、20人の復職支援対象者での評価が完了している。 2.職域における疲労と心身疾患の発症に関連する追跡調査:平成24年度には、97例の疲労及び加速度脈波、血糖値、脂質等の調査を完了した。平成25年度には、中間解析を予定している。 3.疲労回復支援の検討:平成26年度に疲労回復支援を疾患モデルで実施する予定にしているが、それに先だって健常集団での効果的回復方法の検討を実施した。睡眠にやや問題がある女性32名を対象に栄養教育が睡眠と疲労に与える影響を並行群間比較にて検討した。その結果栄養教育群で有意な低下が認められた。開始前には多くの栄養素の摂取が不足していたが介入後には栄養教育群において摂取量基準値に近づいており、有意差は見られなかったものの介入による変化が見られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
代謝内分泌疾患モデルでの検証は、当初の予定より登録者が増加しており、また予後含めた検討が開始されている。 うつ病患者での検討は、当初の予定通りエントリーが進んでいる。 職域における疲労と心身疾患の発症に関する追跡調査は、今年度、予定通り終了しており、次年度中間解析を行う予定であり、こちらも順調に推移している。 今年度は、平成26年度に予定している疲労回復支援による介入を既に健常者モデルで実施できたことから、次々年度に向けての準備も確実に実施できている。 従って現時点では当初の計画以上に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、精神疾患・身体疾患モデルの双方での共通性・相違点を明らかにするために、特に精神疾患患者の例数を増やす必要がある。既に、分担研究者と新たにクリニック等での調査を加える等研究推進の方策を検討している。また、疲労・ストレスの調査が実施できる新たなフィールドを確保できる見込みである。職域における検討は、今年度中間評価を実施、その結果を現場にフィードバックする予定である。既に疲労回復方法については啓発冊子等を現場に配布するなどして支援を実施している。今後は、具体的に現場での「疲れケア」に関する重要性の啓発の実施していく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の残経費は主に今後の研究の推進の進展に係る2つの新たなフィールド開発の旅費等に使用する予定である。
|