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2014 年度 実績報告書

「誤った保健認識」の形成過程に着目した高校生の健康リテラシーの分析と改善

研究課題

研究課題/領域番号 24500829
研究機関仙台大学

研究代表者

小浜 明  仙台大学, 体育学部, 教授 (70170298)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード健康リテラシー / 誤った保健認識 / 批判的思考 / 保健科の学力 / 高次知的能力の測定 / 構成主義の学力観 / 保健科の学力 / 真正の評価
研究実績の概要

最終年度は、「研究の目的」「研究実施計画」に照らして、以下の2つを遂行した。1)標準化された「語彙能力問題」と(財)日本学校保健会(2005)の「選択式問題」とを比較分析した結果、保健の問題には「問題の難易度」「問題文の難解度」の存在が明らかになった。作問経験の蓄積が解決の一助と成り得る。2)授業を構想する場合、子どもが新しい教育内容についてどの程度の学力や生活経験を保持しているかを事前に把握することは重要である。中でも「素朴概念」の存在は、子どもの科学的な認識形成の中核的概念(R.オズボーン・P.フライバーグ,1985;細谷,1996;森・秋田,2002)と言われ、診断的評価の対象となる。得られた診断的評価の情報をもとに、発問や探究課題が工夫されたり「つまずき」が組み込まれたりして授業は構想される。ところがこの「素朴概念」は、保健学習ではほとんど検討されていない。本研究では保健学習の一つの事例として「心臓の位置」を提起した。 (財)日本学校保健会(2005)の全国調査では「心臓の位置」は小5~高3までの8割以上が正しく回答した。この結果は「心臓は左胸にある」という「素朴概念」に最も近い選択肢を選んだだけと解釈することもできる。この点について選択肢の布置を変えた作問を行った。全国17校の高校2年生男女701名の回答を分析した結果、新たに作成した「心臓の位置」問題では正答率が36.9%で、全国調査版問題の94.1%よりも有意に少なかった。正答よりも左に選択肢があるとそれが選択されやすいことから、「心臓の位置」は保健学習における「素朴概念」の一つの事例といえる。従来、保健科教育学では、授業づくりにおいて、学習者(子どもはどう学ぶか)のレベルの研究の遅れが指摘(森,1987)されており、今回の研究は、この課題レベルを意識した、保健科教育学の分野で初の全国的な実証調査となった。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(7)‐フィンランドにおける保健教育の歴史(2)2015

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 63(1) ページ: 50-53

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] フィンランドの大学入学資格試験における保健科の試験2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育学研究

      巻: 59 ページ: 829-839

    • DOI

      10.5432/jjpehss.13052

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(1)‐フィンランドの大学入学資格試験2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 62(1) ページ: 44-45

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(2)‐フィンランドの保健科の教育課程と担当者2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 62(6) ページ: 74-77

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(3)‐フィンランドの大学入学資格試験における保健科目の採点と方法2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 62(8) ページ: 68-71

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(4)‐“Research-based”を特徴とする保健科の教師教育2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 62(9) ページ: 68-71

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(5)‐“Research-based”の中核をなす「保健科の教育実習」2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 62(10) ページ: 73-77

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「センター試験」に保健科目がある国(6)‐フィンランドにおける保健教育の歴史(1)2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 雑誌名

      体育科教育

      巻: 62(12) ページ: 62-65

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 保健学習における「素朴概念」に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明・宮本友弘
    • 学会等名
      日本学校保健学会第61回学術大会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      2014-11-14 – 2014-11-15
  • [学会発表] 保健科の学力に関する調査研究(1)-日芬における教育課程と学力像の比較-2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明・倉元直樹
    • 学会等名
      日本テスト学会第12回大会
    • 発表場所
      帝京大学
    • 年月日
      2014-08-30 – 2014-08-31
  • [学会発表] 保健科の学力に関する調査研究(2)-我が国の「保健の学力」概念に関する実証的検討-2014

    • 著者名/発表者名
      倉元直樹・小浜 明
    • 学会等名
      日本テスト学会第12回大会
    • 発表場所
      帝京大学
    • 年月日
      2014-08-30 – 2014-08-31
  • [学会発表] フィンランドが育てようとする保健科教師の力量-“Research-based”を特徴とする保健科教師養成課程2014

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 学会等名
      日本体育学会第65回大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2014-08-25 – 2014-08-28
  • [図書] 報告書:「誤った保健認識」の形成過程に着目した 高校生の健康リテラシーの分析と改善 ~保健科で育てる「学力」とは~2015

    • 著者名/発表者名
      小浜 明
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      明倫社
  • [備考] 研究成果:体育学研究 Vol. 59(2014) No. 2

    • URL

      https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/59/2/59_13052/_pdf

  • [備考] 研究内容:書燈,所属機関図書館ブログ,2013.12.5.

    • URL

      http://shotoh.blogspot.jp/2013/12/torch-vol035.html

  • [備考] 所属機関:専任教員紹介

    • URL

      http://www.sendaidaigaku.jp/teacher/kyoin/kohama.html

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公開日: 2016-06-01  

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