日本の高等学校における保健科の教科書の重要用語・語句のうち、19個が10年間に亘って一度も新聞紙上に登場していない。また、新聞に頻繁に登場する健康の用語・語句が全く教科書には掲載されていない。フィンランドでは保健科が大学入学資格試験の入試科目になっている。この試験問題を収集し演繹的に分析した結果、試験で検証しているのは健康に関する「①理論的な知識、②技能的な知識、③批判的思考、④情報分析能力、⑤自己管理能力、⑥市民性・公民性」の6類型に分類できた。これら6類型は、単独あるいは組み合わされた形式で出題されていた。フィンランドの保健科では、社会に十全に参加するための能力の形成が目標となっている。
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