研究課題/領域番号 |
24500837
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研究機関 | 松本大学 |
研究代表者 |
広田 直子 松本大学, 健康科学研究科, 教授 (60218857)
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研究分担者 |
日高 宏哉 信州大学, 医学部, 准教授 (10362138)
本郷 実 信州大学, 医学部, 教授 (40209317)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生活習慣病予防 / 栄養教育 / 多職種連携 / 青少年 / 生活習慣 / 栄養素等摂取量 / 食事内容多様性 / セルフモニタニング |
研究実績の概要 |
平成25年度に食事内容多様性や食事パターンに着目した分析を進めるためのステップとして、既存の調査データを用いて小学生と中学生の食事内容多様性について検討を進め、学会で発表した。その発表では一定の評価が得られたが、さらに、因子分析等の多変量解析により、より学校現場で有用な研究成果をまとめたいと考えるに至り、平成26年度も過去2年間に引き続いて、長野県内の松本市街地1校、農山村地域の中学校2校の生徒約400名を対象として、これまで用いてきた生活習慣質問票と中学生向きの簡易型食事歴法質問紙調査法BDHQ15yを用いた調査を実施した。合わせて、身体計測と血液等の生化学的検査も実施した。 収集した質問票のうちBDHQ15yのデータはほぼデータチェックが終了し、現在、生活習慣質問票のデータ入力を進めている。また、身体計測と血液等の生化学的検査については、研究分担者が最終的なデータ整理を進めている。 また、整理できた農村地域の中学校2・3年生の一部のデータを用いて、朝食内容多様性スコア(Morning Meal Score以下、MMS)、夕食内容多様性スコア(Evening Meal Score以下、EMS)の高群(6・5点)と低群(1-4点)にわけ、各群の1日当たりの習慣的な栄養素等および食品群別摂取状況について比較検討した。栄養素等摂取状況で朝食と夕食を比較したところ、夕食よりも朝食で有意差のみられる栄養素等の項目が多いことが分かった。特に朝食ではMMSの高い群でビタミンやミネラルが有意に多いという傾向がみられた。また、食品群別摂取量で朝食と夕食を比較してみると、有意差のみられる項目はEMS高群よりもMMS高群のほうが多く、野菜や豆などが有意に多いという結果を得た。これらの知見は、最終的に進めようとしているセルフモニタリングノートの作成に向けて有意義なものであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究がめざしている多職種連携のもとに作成するセルフモニタリングノートの作成に向けては、因子分析等の多変量解析により、より学校現場で有用な研究成果をまとめる必要があると判断し、平成26年度の11月まで調査を継続した。現在そのデータを整理し、データクリーニングと入力作業を進めており、次のステップに進むにはさらに時間が必要となっている。また、研究分担者の大学で進めている身体計測と血液検査等の生化学的検査でも新たにデータを得たため、そのデータ整理が遅れている。その結果、質問紙調査データとの突合が年度内に完成しなかった。 研究の最終段階に向けて、平成27年度までの補助事業期間の延長を申請し、承認を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度中にデータの収集は終えている。今後、データチェック・入力作業を終えて、質問紙調査によるデータと身体計測、血液等の生化学的検査データの突合が終了すれば、因子分析等を用いた多変量解析を開始できる。 その後、栄養学、医学、検査学、保健学、看護学、運動学などの各専門職が連携してセルフモニタリングノートの作成を進める。その有効性に関する検証作業は規模を縮小せざるを得ないが、検証を行った後、学校関係者らに公表する場を設定して意見聴取を行い、広報・普及を図ることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度もデータ収集を進めたため、最終年度の平成26年度に実施予定であったセルフモニタリングノートを用いたピアエデュケーションによる教育効果の検証に用いる予算を執行しなかった。従ってその分の予算に未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集は終了したため、平成27年度はデータの解析作業を行う。成果がまとまり次第、学会発表や論文化に向けた作業を行う予定であり、その経費として使用する。 その後、教育ツールであるセルフモニタリングノート等の開発、試作品の作成と検証、完成品の作成を進めるための経費とする。また、それらのツールの有効性の検証・普及等のために、中学校関係者の参加も得てワークショップを開催する予定であり、その経費として支出する。
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