研究課題/領域番号 |
24500840
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
鶴 浩幸 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 講師 (10330044)
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キーワード | 耳鳴 / 自動運動 / 体性感覚刺激 / 経穴 / 鍼 |
研究概要 |
・11名の被験者を追加し、昨年度に行った9名の被験者を加えると計20名(平均年齢25歳)の被験者数となった。 ・被験者は耳栓とイヤーマフを装着して30dB以下の静かな部屋に入室後、次の介入による自覚的耳鳴の変化が検討された。1:自動運動(額のしわ寄せ・閉眼・口すぼめ・噛み締め・口の開閉・顎の左右および前後運動・頚の前屈、後屈、左側屈、右側屈、左回旋・右回旋)を各30秒間、2:経穴など(完骨・風池・天柱・下関・太陽・乳様突起下端・C1横突起部・C横突起部)への指頭による圧刺激を各30秒間、3:経穴(合谷・後谿・大陵・完骨)への経皮的ツボ電気刺激(TEAS、2Hzおよび100Hz)を各30秒間行った。耳鳴はvisual analogue scale(VAS)や標準耳鳴検査法1993における耳鳴の自覚的表現の問診票に基づいて作成した評価表により、耳鳴の大きさ(0-5の6段階評価)や耳鳴の持続(0-5の6段階評価)、音質の変化(高・中・低)などが聴取された。また、トランスジューサ指示計を用いて、どの程度の強さ(kgf)で圧迫した時に耳鳴が変化するかを検討した。その結果、自動運動により耳鳴の大きさが軽減したものは9例であったが、耳鳴の大きさにおけるVASや自覚的表現に有意差はなかった。一方、音質や種類には有意な変化が認められた。指頭による圧迫により耳鳴が軽減したものは11例であり、耳鳴の大きさにおけるVASや自覚的表現に有意な減少が認められた。平均1.40 kgfの圧迫により大きさが変化した(11例)。TEASにより耳鳴が軽減したものは17例であり、耳鳴の大きさにおけるVASや自覚的表現に有意な減少が認められた。これらのことから、耳鳴が自動運動や経穴などへの圧刺激、TEASによって修飾されることが示唆された。また、耳鳴の大きさの軽減という視点から考慮すると、自動運動に比べて、指頭での圧迫やTEASなどの体性感覚刺激の方が効果的である可能性が示唆された。特に完骨に対するTEASは影響が大きいことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
台風18号の被災者となり(床上浸水・り災証明書あり)、家屋や車などが甚大な被害を受けたため、日々の生活自体が困難になり、実験を行うことが一時的に不可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
・今後はさらに被験者を集める。 ・頚部や手部の経穴(ツボ)などに対する鍼刺激を行い、耳鳴に対する影響を検討する。 ・研究結果をまとめ、学会発表を行う。 ・論文の作成に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
・国際学会での発表に本科研費の旅費を使用しなかったため。 ・予定していた国内の学会に参加することができなかったため、旅費を使用しなかった。 ・次年度には2つの国内学会に参加し、発表する予定であり、旅費を使用する。
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