広島では放射能問題は、ボディブローのように後になって堪えるという。本研究では東日本大震災で大きな揺れを経験したが、倒壊・津波の直接的被害がなかった福島市と近郊で働く母親約100名を対象に、2012年9月~2014年3月にかけて継続的に他者を意識したワークショップを開催し、心の復興(しなやかな身体からの言葉の構築)を目指した。標準化されたテストによる心の健康度を分析から、母親は、家族や社会を支え、支えられながら、心の健康度を回復していくことが明らかとなった。構築された母親の言葉からは、子どもの内部被爆に対する不安を抱きながらも、新しい心の構造(精神化)を構築して立ち直ることがわかった。
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