研究課題/領域番号 |
24500847
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 浩明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40344890)
|
研究分担者 |
小林 和人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30455935)
矢藤 繁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50451703)
高橋 昭光 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70344893)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 2型糖尿病 / 冠動脈CT / 頸動脈内膜中膜複合体厚 / リスクスコア / 心肺運動負荷試験 |
研究概要 |
1.冠動脈病変を予測する臨床指標の検討 心血管疾患発症リスク因子やそれを組み合わせたリスクスコアは、冠動脈疾患の将来の発症を予測に有用であるが、現時点の動脈硬化の程度を反映するものではない。現時点の動脈硬化の程度を予測できれば、テイラーメイドの診療につなげることができる。我々は、冠動脈CTを行った冠動脈疾患の既往のない2型糖尿病患者116名を対象に、冠動脈CTにおける50%以上の狭窄病変をエンドポイントに、リスクスコアと頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)による冠動脈病変の予測について検討した。検討したリスクスコアは、欧米のフラミンガムリスクスコアとUKPDSリスクエンジン、日本人のリスクスコアであるJALS-ECC。全てのリスクスコアにおいて、リスクスコア単独に比べてリスクスコアとIMTを組み合わせることで、冠動脈病変の予測能が向上することが示された。現在、脂肪酸を含め、他の臨床指標と冠動脈病変との関連について検討中である。 1型糖尿病の動脈硬化発症リスクについて日本人のデータはほとんどない。1型糖尿病の動脈硬化発症リスクについて、頸動脈IMTを指標に検討するため、現在症例をリクルート中である。 2.2型糖尿病患者における心肺運動機能の特徴に関する検討 心肺運動機能は心血管疾患の独立した危険因子である。また、2型糖尿病患者では運動耐容能が低いことも知られているが、その原因は十分に明らかになっていない。糖尿病教育目的に入院し、心肺運動負荷試験を行った2型糖尿病を対象に、運動耐容能と身体組成、心機能、臨床検査値との関連や、頸動脈IMTとの関連を現在症例を集めて検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
冠動脈病変CTを指標にした検討については、リスクスコアとの関連について検討は終了し、論文がアクセプトされている。現在、脂肪酸分画や酸化ストレスマーカーとの関連について検討中であるが、症例の集積が不十分であり、症例を収集している段階。 1型糖尿病については、患者が若く、また、2型糖尿病ほど症例数が多くないため、解析に必要な症例の集積の進展は順調とは言えない。 心肺運動機能と動脈硬化との関連についても症例を集積中である。
|
今後の研究の推進方策 |
1.冠動脈病変を予測する臨床指標の検討 脂肪酸分画およびMDA-LDLやペントシジンなどの酸化ストレスマーカーと、冠動脈CTによる冠動脈病変および頸動脈IMTとの関連について検討を行なっていく。これらのマーカーについて検討した症例は、脂肪酸分画とペントシジンで約50例、MDA-LDLで35例であり、100例以上を目標に症例を蓄積していく。1型患者の症例についても、引き続き症例の蓄積を行なっていく。 2.糖尿病患者における心肺運動機能の特徴に関する検討 心肺運動機能と動脈硬化との関連については、さらに症例を蓄積していく予定である。また、動脈硬化との関連だけでなく、糖尿病に特徴的な心肺運動機能の低下の原因についても解析を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|