研究課題
<最終年度in vivo成果>インスリンを産生する膵ベータ細胞を特異的に破壊するアロキサンを腹腔内へ投与し、30日間高血糖状態にしたキンギョの再生ウロコの骨芽細胞および破骨細胞のマーカー酵素活性を正常血糖キンギョ群と比較した。その結果正常群との間に有意差は見られず、高血糖は骨代謝に有意の差を与えない事が示唆された。<最終年度in vitro成果>ウロコから抽出した I型コラーゲンへグリセルアルデヒドを加えると短時間で非酵素的に反応し、コラーゲン線維の整数倍サイズの架橋物が生じた。また、 I型コラーゲンへの非酵素的糖化に糖の酸化が強く疑われたので、通常は糖化しないグリセリンを酸化しアルデヒド基を持たせるとコラーゲンに結合することを確認し、体内での炎症等による酸化がコラーゲンへの非酵素的糖化を促進する可能性を示した。<研究期間全体>1)キンギョの腹腔内へアロキサンを投与すると膵島でのインスリン産生が著しく低下することを確認した。2)30日間高血糖状態にしたキンギョの再生ウロコの骨芽細胞および破骨細胞のマーカー酵素活性測定から正常群との間に有意差は見られず、高血糖は骨代謝に有意の差を与えない事が示唆された。3)高血糖状態キンギョの骨基質I型コラーゲンへの非酵素的糖化はわずか21日間でコラーゲンアルファー鎖の分子量増加が確認され、コラーゲンへの糖化が増加する傾向が見られた。4)in vitro実験でのI型コラーゲンへのグリセルアルデヒド添加では顕著なコラーゲン繊維間の異常架橋形成増加を確認した。5)コラーゲン線維の糖化には酸化が重要な役割を担っていた。以上より、糖尿病での骨折は高血糖による骨代謝そのものより、糖尿病での高血糖と酸化ストレスによる骨基質コラーゲン線維の糖化架橋によって骨質の劣化が寄与していることが示唆された。
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