これまでの研究により蓄積された健診データをもとに、メタボリックシンドローム発症高リスク群のライフスタイルを明らかにしてきた。本研究では特に喫煙習慣に注目して解析を行った。喫煙者は非喫煙者と比較して炎症が遷延していること、女性喫煙者において観察期間中の頸動脈内膜中膜複合体厚の経年変化は有意に大きく、内臓脂肪面積も大きいことを見いだし、男女別の健康被害への影響を初めて明らにした。さらには喫煙習慣や睡眠、ストレス等の変化が、老化と関わるKlothoへの影響につき検討した。「老化・炎症」といった観点から喫煙の生活習慣病への関与を初めて明らかにし、禁煙が果たす疾病予防の科学的意義を明らかにした。
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