研究課題/領域番号 |
24500857
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
馬渡 一諭 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (40352372)
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研究分担者 |
下畑 隆明 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90609687)
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キーワード | 心房血栓 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
本研究ではWistar系ラットの近交法により確立した「心房内血栓自然発症モデルラット」への食物由来成分の投与が、心房血栓形成の予防に有用であるかを検討することを目的とする。私たちは心房血栓形成と心血管の内皮機能との関連性に注目し、モデルラットの内皮機能と一酸化窒素(NO)産生量に着目した。 血管張力測定により大動脈の内皮機能を測定すると、モデル動物は内皮依存性の弛緩反応が有意に減弱していることが確認された。さらに、モデル動物の生体内NO量が顕著に低値を示したことから、心血管内皮のNO産生能が低下している可能性が示唆された。さらに、内皮依存性NO合成酵素(eNOS)の発現量を確認すると、心房および大動脈での有意に低下していた。さらに、NOの基質であるL-arginineを投与すると、NO量の上昇とともに心房血栓のサイズが小さくなった。 以上の結果より、本モデル動物では血管や心房内皮のNO産生能低下により心房内での血栓形成が助長されている可能性が考えられた。心血管の内皮細胞は血管の張力調節作用のほかに、抗凝固作用を有するNOを産生し、心血管の恒常性維持に働いている。心血管内皮の一酸化窒素産生能をコントロールすることが心房内血栓形成予防に重要であると考えられた。 次に、心血管内皮に作用する食物由来成分の検索とその効果について検討した。まず、Blueberryポリフェノール(BBP)を野生型Wistarラットに投与し、血管内皮機能を評価すると改善効果がみとめられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で用いる「心房内血栓自然発症モデルラット」の病態に関して詳細な解析により、心血管内皮機能及び一酸化窒素(NO)産生量が低下していることが明らかとなった。さらに、NOの基質であるL-arginineを投与によりNO量の上昇と心房血栓サイズの減少がみられたことから、心血管内皮機能と左心房血栓形成には関連がある可能性が示唆された。これらの研究結果をまとめた論文はCirculation Journalに受理された。 さらに、心血管内皮に作用する食物由来成分の検索とその効果について検討した。まず、Blueberryポリフェノール(BBP)を野生型Wistarラットに投与し、血管内皮機能を評価すると改善効果がみとめられた。これらの研究結果をまとめた論文はBritish journal of nutrition(109: 1746-1754, 2013)に報告したことは評価できると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までの結果より、心血管内皮の一酸化窒素(NO)産生能をコントロールすることが心房内血栓形成予防に重要であると考えられた。そこで平成26年度以降は、心血管の内皮細胞に作用し、NO産生を亢進させる食物または食物由来の成分の検索と、またそれらの投与が心房内血栓形成の予防に作用するかを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年3月納品となり、支払いが完了していないため、次年度使用額が生じた。 平成26年4月に支払い完了予定である。
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