左心房血栓は全身性血栓症の重要な要因となる。本研究は新規に開発した「左心房血栓自然発症モデルラット」の血栓形成と心血管内皮傷害との関連性を明らかにした。本モデル動物には胸部大動脈の内膜肥厚や内皮依存性弛緩反応の減弱がみとめられ、また、一酸化窒素産生能は有意に低下していた。さらに、一酸化窒素の基質であるL-Arginineを投与すると、一酸化窒素産生量が上昇し、血栓サイズが有意に小さくなった。よって、心血管内皮傷害を抑制することは、心房血栓予防に働く可能性が示唆された。さらに、ブルーベリー由来ポリフェノールなどの食物由来成分が血管内皮の傷害予防に働くことをみいだした。
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