研究課題/領域番号 |
24500858
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中垣内 真樹 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10312836)
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キーワード | 介護予防 / スクエアステップエクササイズ / コミュニティ形成 |
研究概要 |
近年の高齢化に伴い、「健康寿命の延伸」が求められている。これに対して運動の実践が有効であると考えられている。介護予防のための運動プログラムの開発およびそれを高齢者自身で継続できるシステムの構築は重要である。本研究では介護予防のための運動プログラムの開発およびその継続方法を検討することを目的としている。本年度は、運動プログラムの効果を中心に検証した。ここで言う運動プログラムとは、我々が新たに考案したスクエアステップエクササイズ(SEE)である。地域在住高齢者25名(71.4 ± 4.4歳)を対象に、地方自治体が主催する3ヵ月間のSEE教室への参加が身体機能、認知機能、健康感に及ぼす効果を検討した。SEEを3ヵ月間実践したことにより、身体機能では30秒椅子座り立ち、8の字歩行、ステッピングといった移動能力、認知機能では記憶の要素、さらに主観的健康感に有意な改善がみられた。しかし、3要素の改善の度合いに相関関係はみられなかった。このことから、SSEの実践による身体への直接的な効果とともに、ステップの記憶やコミュニケーションの増大(教え合い)などSSEの特長が複合的に効果に及んだと推察でき、介護予防の観点からSSEは、有用なプログラムであることが示唆された。また、この教室を修了した者が中心になり、5カ所で運動の自主サークルが立ち上がり、SSEの実践をを中心とした地域コミュニティが形成された。今後は、このSEEサークルの継続に向けた方法論について検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域コミュニティの形成に至るまでの運動プログラムおよびその運動プログラムの効果の検証まで達成できた(論文として掲載された)。来年度は,形成されたコミュニティをいかに継続できるか?その方法論を探るとともに,継続の効果を検証し,本研究をまとめる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
形成された地域コミュニティをフォローアップし,身体的側面への効果,社会心理的側面への効果,継続するためのポイントなどを調査検討する.運動プログラムの方法,地域コミュニティ形成のための方法,継続のための方法について,マニュアル化・一般化し,他地域への公表および他地域での活用を試みる.
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