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2012 年度 実施状況報告書

生活習慣病予防・治療を目指した膜型脂溶性リガンド受容体の新規機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 24500863
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

足達 哲也  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60345014)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード受容体 / シグナル伝達 / 代謝異常疾患
研究概要

近年の分子生物学およびゲノム科学の進歩により、生物活性を引き起こすさまざまな受容体が同定されてきている。脂溶性リガンドは核内の受容体と結合し、genomic作用から遺伝子発現を制御することによって細胞機能を調節するものとして、多数報告されてきているが、さらに近年では核内受容体に加えて、細胞膜に存在する受容体に結合し、non-genomic作用を有する脂溶性リガンドも明らかにされてきており、創薬ターゲットとして注目されている。細胞膜に存在する脂溶性リガンド受容体の多くはG-タンパク共役型受容体(GPCR)であることから、循環器系における脂溶性リガンドGPCRの発現、シグナル伝達系解析およびそのシグナル伝達系からの細胞応答性を解明し、循環器系機能改善を目指した脂溶性リガンド受容体機能解析と新規リガンド探索からの創薬を目指すことを目的とした。当該年度において、循環器系においていくつかの膜型脂溶性リガンドGPCRが発現することを見いだした。一例として膜型エストロゲン受容体GPR30は、初代培養心筋細胞において、エストロゲン刺激でシグナル伝達下流のERKのリン酸化が亢進することを明らかにした。また低酸素(0%O2)環境下での培養において、エストロゲン刺激により、初代培養心筋細胞の細胞死の抑制が認められた。現在、この細胞死の抑制効果について、GPR30からのシグナル伝達系の関与を明らかにするべく、下流に存在するシグナル伝達因子および低酸素で誘導され細胞保護にかかわるHIF-1aに関する検討を進めるとともに、GPR30を活性化するリガンド探索について、計算機による受容体―リガンド結合を予測するとともに、ドッキングシミュレーション解析も進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度において、循環器系においていくつかの膜型脂溶性リガンドGPCRが発現することを見いだし、特にGPR30に関する心筋細胞での機能について、詳細な検討を進めることができた。

今後の研究の推進方策

膜型脂溶性リガンド受容体のうちGPR30について、心筋細胞での機能解析、新規リガンド探索およびドッキングシミュレーション解析を継続して進める予定である。
膜型脂溶性リガンド受容体については、GPR30以外にも、脂肪酸受容体として知られるGPR40、GPR41、GPR43、GPR119およびGPR120などがあり、これら受容体が発現する臓器・細胞での機能解析および新規リガンド探索について、これから合わせて進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

細胞培養用消耗品、実験動物、一般的生化学的試薬について計上するとともに、膜型脂溶性リガンド受容体の機能解析に必要な各種抗体、細胞内シグナル系を検出するためのインディケーターに関する計上も予定している。また得られた成果を発表するため、国内外学会出張費、論文投稿費も計上を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] γ-Tocotrienol attenuates TNF-α-induced changes in secretion and gene expression of MCP-1, IL-6 and adiponectin in 3T3-L1 adipocytes.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga T, Shoji A, Gu N, Joo E, Li S, Adachi T, Yamazaki H, Yasuda K, Kondoh T, Tsuda K.
    • 雑誌名

      Mol Med Rep.

      巻: 5 ページ: 905-909

    • DOI

      10.3892/mmr.2012.770

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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