研究課題
近年の生活習慣病、メタボリックシンドローム患者数およびその予備軍の数は、我が国のみならず、アジア地域を中心として、全世界で増加の一途をたどっている。増加の主な原因は、過食と運動不足であり、特に運動不足は全身代謝に影響をおよぼすこともわかってきている。これまで本研究では、膜型脂溶性リガンド受容体の発現、シグナル伝達系解析およびそのシグナル伝達系からの細胞応答性を解明し、膜型脂溶性リガンド受容体機能からの生活習慣病・メタボリックシンドロームの新しい予防・治療法の開発を目的として研究を進めてきており、本年度は、運動系機能改善を目指した脂溶性リガンド受容体機能解析と新規リガンド探索を目指し研究を進めた。前年度から解析を進めている膜型エストロゲン受容体GPR30について、骨格筋培養細胞系のC2C12において、17β-エストラジオール刺激でシグナル伝達下流のERKのリン酸化が亢進することを明らかにした。また、17β-エストラジオールの持続刺激により、分化前細胞の増殖が認められた。この細胞増殖効果について、GPR30からのシグナル伝達系と分化について検討を進めたところ、MyoDなどの骨格筋内転写因子の発現の上昇が認められた。GPR30-MyoDをつなぐシグナル伝達系の解明には至らなかったが、他の膜型脂溶性リガンド受容体のシグナル伝達系因子との共通性も解析し、本研究から性ホルモンの骨格筋増強作用につながる新しい創薬ターゲットを見出す研究に発展をさせるよう準備を進めている。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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