擬似的な運動や高血糖を再現した環境下において、ヒト骨格筋細胞からどの様な因子が放出され、さらにはその因子が脂肪細胞などに対してどの様な影響を及ぼしているのかについて、培養細胞を用いて検討を行った。その結果擬似的な運動環境下の骨格筋細胞では、12種類の遺伝子が2倍以上増加し、逆にこれと異なる12種類の遺伝子が半分以下に減少した。また高血糖を再現した環境では、一部の因子の遺伝子発現がさらに増加し、さらに運動環境下の骨格筋細胞の培地をヒト脂肪細胞に添加したところ、複数のサイトカインが2倍以上増加した。骨格筋細胞は内分泌器官の一つであり、他の臓器にも影響を及ぼす多様な機能を持っていると予想された。
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