研究課題/領域番号 |
24500873
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 敏郎 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (80567222)
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研究分担者 |
出村 慎一 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20155485)
山次 俊介 福井大学, 医学部, 准教授 (40311021)
山田 孝禎 福井大学, 教育地域科学部, 講師 (60413770)
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キーワード | 転倒予防 / 老化 / 動的バランス能力 / 姿勢 |
研究概要 |
高齢者の転倒を予防する取り組みは重要であり、各自治体では、地域高齢者を対象とした転倒予防教室が開催されている。転倒予防教室は、転倒に関する理解を深める学習型教室と運動器を中心とした身体機能水準を高める運動型教室に大別される。転倒予防においては、両者とも重要であるが、身体機能水準が低い、または身体活動に自信を喪失した高齢者は、運動型教室を回避する傾向にある。しかし、これらの高齢者こそ、転倒リスクが高く、且つ転倒時の骨折など重篤な傷害を引き起こしやすい易転倒性高齢者であることが多い。本研究では、これら運動型教室を回避するような易転倒性高齢者に対して、身体機能による転倒リスクを簡便に、且つ有用性高くスクリーニングできる方法の開発を目的とした。この研究目的を達成するために、3つの研究課題を設定した。本年度は、昨年度試作した足圧中心位置を計測する装置と静止姿勢を分析装置を組み合わせて、1)静止立位姿勢時の姿勢と足圧中心位置の計測、2)前後左右への最大足圧中心位置移動距離の計測を継続して行った。さらに、様々な転倒関連体力テスト、認知機能検査、転倒リスクプロファイルを合わせて調査・測定し、関連を検討した。また、計測時間を短縮するために両測定装置の連動など改良を重ねた。 昨年度から蓄積したデータ解析の結果、円背、または骨盤後傾の高齢者と、正常姿勢高齢者の足圧中心位置に差が認められた。また、円背、または骨盤後傾の高齢者は、前後左右の足圧中心移動距離が有意に小さいことが明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
測定において出された試作器の問題点の改良が順調に行われ、姿勢および足圧中心位置の計測が順調に行うことができた。また、虚弱高齢者から元気高齢者まで幅広いデータの蓄積ができた。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は、これまで蓄積したデータに基づき、転倒リスクの高い姿勢の評価基準の設定に取り組み、転倒パターン(方向)との関係から姿勢評価システムの完成を目指す。しかし、これまでのデータ解析結果から、姿勢異常や足圧中心位置の偏位があっても転倒リスクの低い高齢者も存在するため、静止立位姿勢のみでは判定が難しいと判断された。そこで、股関節の移動などの簡便な動作を加えて検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に計画していた測定の一つが次年度に延期となったため、その測定旅費、消耗品等購入費が残額として繰り越されることになった。 延期された測定は、今年度5月か6月には実施する計画となっており、その測定において計画通り使用する。
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